1.自己制御機能とは
私たちが体力や心的エネルギーの限界を超えて無理している時や、激しく自己否定している時には、広義の潜在意識の奥からは無理していることを示すサインが来ます。
そういう自動制御機能が私たちの存在には備わっているように見えます。
私たちの心の中核を丹田という言葉で表現すると、この丹田を支えているのが個性の影です。「個性の影」は潜在意識を含む心の基底部分であり、超越潜在意識とのつなぎ目であり、丹田を支えているものであると思います。
私たちは人生の中で往々にして危険領域に入り込むことはあります。その時に危険を察知してサインを送り、修正するように働きかける機能がなければ、心の体もダメージを受けすぎていびつになって固まります。だから自動制御機能は必要です。
つまりこの個性の影の働きの一つは、丹田あるいは個性の自己修復機能です。言い換えると丹田を保護する機能が個性の影にはあると思います。
たとえば何か重要な任務に失敗して激しい自己否定をしていると、個性の影からはそれを修正する働きが来ます。個性の影がなぐさめて、「あなたには良いところがある」という意識を送り込んできます。しかし、それを拒絶し続けると丹田が歪んできます。これが心の傷となります。
このようにしてできた心の傷は、転生輪廻の過程で修正する機会を得て、修復しようとします。丹田の歪みを修復し、本来のバランスを取り戻そうとするのです。
2.恐怖心
私たちの丹田が歪む顕著なケースは、恐怖心です。
私たちは強い恐怖心を感じた時、逃げるか、立ち向かうか、どちらかです。立ち向かうと激しい恐怖を感じて苦しいのですが、丹田は歪みません。むしろ成長し丹田は大きくなります。
逆に恐怖から逃げると、丹田が歪み、小さくなります。逃げるということは、恐怖を感じている自分と向き合うのを回避します。
この時は、私たちの人生でも最も大切なです。この時に過去世にできた丹田の歪みを修正し、本来のバランスを回復し、丹田が大きくなるチャンスだからです。
そしてこの恐怖心と対決し抜くと、私たちの発する思いは超越潜在意識にまで届きます。つまり心の根源からのエネルギーと同通できるのです。これは回心といわれる瞬間でもあり、人生は一大転機を迎えます。
カウンセリングでも、そういう機会が来ることがあります。でもその時には、クライエントは、告白をカウンセラーが受け容れてくれず自分が見放されるのではないかという不安に襲われます。
つまり、自分が自分の恐怖と向き合うストレスとともに、それによって自分の心の支えも失うのではないかという恐怖心を同時に感じるのです。
これが隠していた秘密を誰かに語ることが難しい理由です。すごく勇気がいります。でもその勇気を発揮した思いは、超越潜在意識にまで届きます。だから自分が根源から刷新されるのだと思います。
3.サインを無視すると
ある人は、あることに強い恐怖心を感じていました。
でもそれに気が付きませんでした。
代わりに忙しく忙しく働き続けました。
やがてその人は心身の失調で倒れました。
その方の個性の影は、倒れるぐらいの恐怖心を持っていたことに気づかせようとしていたようです。
この時に倒れた原因に気づかないで、個性の影のサインを受け取らないと、もと自分(丹田)が崩れていきます。
この方は、自分が倒れた理由の根底には恐怖心があり、それと向き合うことを避けたからだったと認識して回復しました。
サインを受け取らないでいるときは、倒れたことの責任を自分の外に探しています。つまり自分の問題を見ずに、自分の外に原因を求めると、崩れていくのです。
こうした自動制御機能が私たちの心には備わっています。ということは、私たちはもし間違った生き方をしてきても、かならずどこかで気づき、バランスを回復し、成長できるということです。
要するに、私たちは自分自身の力でどこまでも成長できるのです。
そう確信すると他者への見方が変わります。
今弱り切っている人を見ても、相手の方は自分の力で必ず成長していけることが大切になります。
育む力はそこから生まれると思います。
心理カウンセラー・種村修(種村トランスパーソナル研究所所長)
連絡先:メールアドレス tanemura1956@gmail.com
℡ 090-8051-8198 (午前中まで通話可能)
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