自分の感情に気が付くということは、非常に大切なことです。 感情は記憶とつながっています。 過去を思い出したときに、事実関係やその時に考えたことは記憶が薄れますが、感情はまざまざと蘇ります。 つまり、感情は思い出すためのキー ( 鍵 ) になるのです。 さらに自分の感情に気づくことは、その時の自分の心を知る上で決定的に重要です。 まさにその時の自分がどんな心の状態なのかが、そこに現れてくるからです。 それだけに、その感情が自分にとって不利益をもたらすものであったり、それに気づくことが怖かったり、自分の信念と合わない場合、それを自覚することを拒絶しようとする働きが自動的に起きます。 この働きを、心理学では「自我の防衛機制」という難しい言葉で呼ばれています。 分かりやすく私なりに説明すると、自我とは今意識している自分のことです。 この自我をおびやかすような感情、そして自我にとって非常に不都合な感情は、意識しないようにブロックすることで、自我が自らを守ろうとするのです。 ブロックされた感情は潜在意識に溜まります。顕在意識ではその感情をキャッチできないのですが、潜在意識にはしっかりあるので、無意識の裡(うち)に顕在意識をあやつりはじめます。本当はこの潜在意識に押し込めた感情が原因で行動しているのに、顕在意識ではそれを自覚していません。 自覚していないので、本当に自分にとって適切な行動が取れなくなり、あとから振り返るとどうしてこんな行動をしたのか分からないような、自分を害するようなことをしでかす場合が少なくありません。 潜在意識に蓄積された感情は行動として出てくる以外にも、体調の変化や病気、けがなど出てくることもあります。 これらはサインです。ブロックしているその隠ぺいした感情に気づけというサインなのです。 種村修 ( 種村トランスパーソナル研究所・心理カウンセラー ) お気軽にご意見ご感想をお寄せください。 メールによるカウンセリングも承っております。 メールアドレス: tanemura1956@gmail.com