悩みを抱えている方の話を聴くとき、その人が抱えている自己否定の氷を溶かすには、どう対応したらいいのでしょうか。
一つ気を付けなくてはいけないことは、焦りです。聴き手が、早くよくしていあげたいと時間を限って焦ってしまうと、それが善意であっても害があります。
人の成長にかかる時間はとても個性的です。個性の違いにより、じっくりと変わっていく人もいれば、ある分岐点を境に一気に変わる方もいます。それは人によって大きく異なります。それを尊重することが大切です。
もう一つ聴き手にとって大切なことは、相手の中にどういうエネルギーを観るかです。
悩みを抱えている方の、悩んで苦しんでいるエネルギーだけを感じていると、決してよき方向性が見えてきません。こういうときはともすれば上から目線でこうしたほうがいいと、自分の意見を押し付けてしまう可能性が高くなります。
相手の中に根源的な創造のエネルギーを観ているのか。それとも苦しんでいる姿だけを見るのか。その違いによって、相手から引き出せるエネルギーが異なります。
自分が観えている範囲のエネルギーにしか語り掛けることはできません。善意や熱意が伝わらなくてショックを受けるのは、悩んでいる姿だけをみている時です。その奥にある偉大な可能性を秘めたエネルギーを観ていないので、それに働きかけ、それを引き出すことができないのです。
同時に相手の方に語りかける時は、その方の現在のエネルギーだけを見ていてはいけません。その方の過去のエネルギーと未来のエネルギーの両方にも語りかける必要があります。
その方の過去のエネルギーとは、潜在意識の中に蓄えられたエネルギーです。
その方の未来のエネルギーとは、可能性のエネルギーです。聴き手は相手の中にあるすべてのエネルギーに対して語りかける必要があるのです。
焦りは、今の時間を何とかしようとしている時に生まれます。自分が速く結果を観たいだけのエゴかもしれません。
相手を信じるとは、その成長のプロセスも個性的であることを受け入れて、必ず変わる可能性を秘めていると信じて、働きかけることではないでしょうか。
相手を信じるとは、その成長のプロセスも個性的であることを受け入れて、必ず変わる可能性を秘めていると信じて、働きかけることではないでしょうか。
(続く)
心理カウンセラー 種村修 (種村トランスパーソナル研究所)
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