人を嫌って悪口ばかり出てくるとき、自分を自分自身を嫌っていないかどうか、自分に問いかける必要があると思います。 私たちの他人への感情は、自分自身への感情を投影していることが少なくないと思います。 誰も信じられないと感じる時、本当は自分を信じれないのではないでしょうか。 誰もかれもが嫌いと思う時、本当は自分自身を嫌っているのではないでしょうか。 私のそんな考えとぴったりと一致する文章に、最近接しました。 イギリス生まれの作家バーネットの名作『秘密の花園』にある一節なのですが、少し長くなりますが、勉強になるので紹介します。 大きなお屋敷で召使さんをするマーサが、 10 歳のつむじ曲がりでわがままな女の子メアリとした会話です。 メアリは 自分は誰にも好かれていない と信じ込んでいます。「わたしのこと好きな人なんかいないもの」その言葉を聞いて、マーサは考えます。 「あなたぁ、自分のことは好きなんかね?」とマーサはききました。 メアリはちょっとためらって、きかれたことを考えてみました。 「ぜんぜん好きじゃない――ほんとに」とメアリは答えました。「でも、そんなこと、今まで考えたこともなかったわ。」 マーサは、なにか家のことを思い出したように、ちょっと笑いました。 「おっ母さんがそれと同じことを、うちにいうたことがあるんよ。」マーサはいいました。 「おっ母さんが洗濯だらいで洗いものをしていたとき、うちはむしゃくしゃしていて、人の悪口をいうたことがあったの、そしたらおっ母さんが向き直っていうには、『なんて意地わるい娘だね、あんたは! そこに立って、 この人きらい、あの人きらいとか、いいつづけて。いったい、あんたは自分のことは、好きなんかい? 』それでうちは笑うてしもうて、それですぐに自分がおかしかったことに気がついたんよ。」 これは、人の心の機微に触れた非常に深い話だと思います。 私たちも「自分は誰にも好かれていない」という気持ちに陥ることがあります。 その時に「 あなたぁ、自分のことは好きなんかね? 」と、 自分に問いかけてはいかがでしょうか。 誰も自分を好いてくれていないという思いこみが、 自分自身を嫌っている心の反映に過ぎないことが見えてくると思います。 そうしたら、