69年間の人生を歩んできて、自分の意識が切り替わっているのを感じた時期があった。 人生の前半と後半とを分かつ変化だった。 40代前半、私が勤めていた教団で実質的なリストラに遭遇し、それまで世俗の世界と考えていた世界に投げ出されたときが分岐点だった。 前半では私の意識に強くあったのは、自分の優秀性を自己確認したい、周りから認められたいという自己顕示欲であったと思う。 それは自己を実現して、自己を輝かせたいという気持ちに付随するものであった。意識の焦点は自分にあった。 しかし、後半の人生に入って、自分は誰かに仕えたいという強い気持ちがあることに気が付いた。その方を支え、その方の使命をともに実現したいという気持ちだった。 私が還俗して、最初に仕えたリーダーは、先代が創業した会社を継いだ二代目社長だった。 信用不安のなか存立の危機にあった企業だったが、社長は心の広い人であった。 この人を支えたい、この人のためなら苦労をいとわないという気持ちを味わった。 その後、何人か仕える人は変わったが、仕えたいという気持ちは変わらない。 自分が心から仕えることができる人を探していたと思う。 もっともっと良く仕えるために自分を磨きたい。健康も増進したい。 残りの生涯を、その人に仕えるために費やし、その人を支えたい。 そういう思いが、現在も脈打っているのを感じている。