人間の心は、潜在意識を含めた全体を次のように考えるとわかりやすいと思います。
通常の私たちの意識は顕在意識とよびます。単に「意識」とも言われます。
この奥には潜在意識がありますが、意識できないのでこの領域は「無意識」とも言われています。
潜在意識は大きく二つに分かれます。
一つは、今世に形成された潜在意識です。これは誕生してからいままで感じたこと、考えたこと、記憶や感情など抑圧されたり、忘れて無意識に沈んだ部分です。
もう一つは過去世の意識です。ここには過去世の記憶や抑圧、心の傷も含まれます。また過去世の意識が現在ただいま働きかけてくることもあります。それもすべて過去世の潜在意識の働きです。
私は、後者の過去世の部分を深層潜在意識と呼ぶことにしています。
この深層潜在意識はもっと奥にはいると、星の意識や宇宙的な意識に通じていると思います。これはそもそもの人間のなりたちに関連していると思います。つまり、私たちは星の一部が分化し、枝分かれして生まれたとおもいますが、そうすると記憶の中には星の一部だった時の記憶まで含まれるはずだからです。
この深層潜在意識の一番の中核は、個体を越えた超越的な宇宙意識に通じていると思います。宇宙の誕生の時からの記憶からすべてを含んでいる意識であり、宇宙意識そのものです。私はそれを超越潜在意識とよびたいと思います。個我を超越している意識であるとともに、宇宙の根源の意識です。
私は宗教的にはこの部分を、仏性とか神性と呼ぶのではないかと思います。
そして神道に見られるような人間が等しく神の分霊だという宗教思想は、すべての人が超越潜在意識につながっていることを指していると解釈しています。
こう考えると心理学と宗教は接点を持つことになります。
宇宙意識の全体である超越潜在意識の側から見ると、私たちは宇宙意識そのものが分かれて個性化し、枝分かれした存在です。
ということは、宇宙意識の中の何らかの役割、機能を分有していると思います。
ですから個性を発揮するということは、宇宙が最もすこやかに成長する方向に機能するということではないかと思うのです。
また宇宙全体は日々膨脹し分化し成長しています。ですから私たちも個性が成長することが宇宙にとっての喜びであり、個人の成長は宇宙全体の成長を支えるエネルギー、もしくは喜びになると思うのです。
逆に個性が固まって機能しなかったり停滞していたりすると、宇宙全体の成長を阻害します。それが宇宙にとっても自分自身にとっても苦しみ、もしくは違和感として感じられるのではないかと思います。
人間である自分の視点でいうと、本来の個性が発揮できず成長もできず、固まったり停滞したり、自分が自分でないものになっていたりすると、それは苦しみです。
この苦しみという感情は、自分が超越潜在意識と交流する方向で思いと行いを出しているのか、それとつながらないような方向でいるのかを、自分で感じ取れるセンサーの一つになっているのではないでしょうか。
ここから、私は一つの仮説を立てています。
超越潜在意識に通じる思いのエネルギーはそのまま超越潜在意識につながる。しかしそれから逸れている思いのエネルギーは途中で跳ね返ってくる。この跳ね返ってくるエネルギーが「反作用」ではないかと思うのです。
そうすると個性が超越潜在意識につながるところに一種のフィルター機能を果たすものがあり、そこが私たちの発する思いのすべてを選別しているのではないかと思うのです。
このフィルター部分は超越潜在意識から枝分かれした個性を支えている基底部分であり、個性化することで排除した要素を保有している部分であるはずです。
こういう仮説を立てたいと思います。そういう意味を持たせて、ここを「個性の影」と呼びたいと思います。
自分が人を憎んだり、自分を否定したりする思いは、「個性の影」のフィルターで跳ね返されて、その反作用で跳ね返ってくると思います。そのエネルギーの跳ね返りを、私たちは不快なネガティブな感情として経験します。
私たちには不快を避けたいという本能があるので、反作用を招く思いを避けたいと思います。
こうして自分の自由意志で、超越潜在意識つまり宇宙意識が向かう方向、成長する方向へと自動調節する仕組みがあると思うのです。
それだからこそ、「個性の影」の反作用をサインとして理解し、それが意味しているものを考えることで、自分が成長し、宇宙全体も成長する方向へと、自分自身で心の舵を取れると思うのです。
そうすると私たちが日々経験することでネガティブな感情があれば、それをサインとして受け止める必要があると思うのです。
「これは何を教えようとしているのか」、「何に気づかせようとしているのか」。そういう問いを発することが重要です。
この時にそのネガティブな感情の奥の思いまで感じ取ろうとしなければなりません。
このサインは、感情としてだけくるわけではありません。体調の変化や体の痛みなどとしてもきます。だから、その都度、その意味を探ることが重要なのです。
こういう姿勢をもつと、起きてくることを否定したり忌避したりせず、起きてくることをあるがままに受け止め、自分と向き合い、その意味を探ろうと努めます。
要は常に自分を見つめる方向、自分と向き合う方向へと向かうのです。
自分と向き合い、自分を知る奥には何があるかというと、自分の奥にある超越潜在意識、言い換えると宇宙意識を知ることだと思います。
自分はなにか、この問いは何転生しても永遠に探求し続けるものではないでしょうか。
心理カウンセラー・種村修
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