のりうつりが憑いているのは、人間の成長という観点から見ると、一つのサインと見ることが可能です。
自分が変わるべきところがあると教えてくれています。
それを気づかせてくれるサインです。
憑いている相手の心を理解した時に、相手は変りはじめ、やがて離れていきます。
もし不浄仏霊が憑いているとすると、不浄仏霊がなぜそうなっているのかを理解すると、相手は離れていきます。
不浄仏霊というのは固まったエネルギーです。
執着のある状態で思いが固まっていて自由に変化できない状態です。
固まるには固まる事情があります。
彼らは通常は肉体に入らないとなかなか変われない事情があるようです。
だから憑依とかのりうつりという現象が起きているようです。
これは裏返すと、肉体を持っている私たちは、一番変化しやすい状態にあるということです。
色心不二なので、栄養や生活習慣を変えていくことでも、心の変化を引き起こせます。
これは大変ありがたい機会であると思います。
この非常仏霊の成仏という問題を文学で解明した作品に、宮部みゆきの『あかんべえ』が非常に優れていると思います。
この小説は大変深い洞察が書かれていると思います。
この小説で印象的なのは、霊が見えるという人には、その霊と同じ心の状態や体験があるという洞察でした。同じ心の状態があるので、見えるだけでなく、憑依されてもいます。
不浄仏霊に憑かれている側は、ある意味でその不浄仏霊の生きていた時と同じような心の状態にあります。
その状態を自覚して、自分を変えることができると、自分が未来に不浄仏霊にならないのはもちろんですが、憑いている不浄仏霊が変化して成長していきます。
もちろん憑依状態は解消されます。
憑いている不浄仏霊を力づくで切り離しても、それだけでは何も解決しません。
憑かれている人も、憑いている霊も、どちらも変化しないからです。
どちらも固まったままです。
固まった状態が解消され、成長を始めることが大切なのです。
のりうつりが憑いているときは、それを自覚して、それを学びの材料に変えることです。
そうすることで自分も成長できます。
自分がどこに問題があるのか理解できると、同時に、不浄仏霊がなぜ固まったのかが理解できます。
そして反省して同じ状態を二度と繰り返すまいと決意し実践すると、変化が始まります。
そのとき同時に、憑いていた非常仏霊にも気づきが生まれ、固まった状態から解放され、いわゆる成仏へと向かうのです。
こういう問題は、文学でも心理学でも、現場では常に起きていることであると思います。
種村修(種村トランスパーソナル研究所・心理カウンセラー)
電話 090-8051-8198(午前8時30分~11時)
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