生霊とか死霊とか、さまざまなエネルギーがのりうつり、つまり憑依する現象があります。
よくよく観察していると、自分であって自分ではない状態というものがあります。
自分はこういうことを普段しないのに、急にしたくなったとか。病院へお見舞いに行ったら、突然病気や死が怖くてしかたがなくなったとか。普段愚痴を言わないはずの人が、誰かと会ったあとでとめどのなく愚痴を言いだしたとか。
これらは誰かのエネルギーの営業を受けて、自分であって自分でない状態が起きているのです。
自分が普段と違う状態になっている時、誰かのエネルギーをかぶっていないかどうかを、まず見ていく必要があります。
憑いているエネルギーというのは、見破られると憑いていられなくなります。ですから、憑いているものはばれたくないので、自分を隠そうとします。
それを見抜くためには、客観的に冷静に自分を見つめることが必要です。
相手のエネルギーがくっついていると、その方の特徴的な言動や思考の癖が、無意識に自分に出ます。それが自分本来のものでないのなら、くっついている可能性が高いです。
こういう時は、「くっついたな」と見破り、「お引き取りください」と心で思えば、普通は離れていきます。
つまりこれは自分とは違うエネルギーだと認識すると、そのエネルギーと自分との間に境目ができて、分離できるのです。
それを認識しないで何でもひとくくりにして自分だと思っていると、憑依しているエネルギーの影響は取れません。
もちろん、自分に出てくる不都合な思いや言葉や行動が、すべて他の影響であるとだけ見るのは、責任転嫁になり甘えにもつながるので、注意は必要です。そういう警戒は必要なのですが、自分以外のエネルギーをまず分離しておかないと、自分の思いが何なのかが見えてきません。自分を変えることもできません。
くっついてきたものを分離した後は、自分自身を点検します。
どういう原因でこの思いや言動が出てきたのかを振り返ります。
原因が見いだせれば、その時の感情をしっかり覚えておきます。同じ感情が出たら、自分のなかでアラームが鳴るようにしておくためです。そうすることで再発を防げます。
くっついた原因が、依存する気持ちである場合もあります。
自分が誰かに依存していると、会うだけでその人のエネルギーが憑きます。
本人は別に相手にくっつこうと意識していないのですが、会っていると相手のエネルギーの一部がくっついてきやすいのです。自分が相手に依存している場合も、相手があなたに依存している場合にも、それはよくおきます。
ですから依存を克服し自立しなければなりません。人に依存せずに自分で判断し、自分で行動することを、小さなことから始める決意が必要です。
また相手と同じ傾向があるので引き寄せてしまった場合は、その傾向性を修正する努力をしなければなりません。同じ傾向性を持っていると同類の思いを引きつけてしまうからです。
こうしてのりうつりのエネルギーに気づき、それを分離し、さらに振り返っていくことで、成長の道が見えてきます。
そして自分が大きく変わると、今までよく憑いてきていたエネルギーと波長が合わなくなるので、憑かれにくくなります。
こういう方法をとると、憑依も結局は自己成長を促進するためのきっかけに過ぎないことがわかります。
種村修 (種村トランスパーソナル研究所・心理カウンセラー)
お気軽にご意見ご感想をお寄せください。
メールによるご相談も承っております。
コメント