カウンセリングは、なぜ必要性なのか?
経験的に感じるのは、やはり誰にも言えないような恥ずかしい自分を、否定せずに受容してもらい、さらに共感的に理解してもらうことが、心の重荷を降ろすためには不可欠だからだと思います。
自分の秘密を「話す」ということは、隠していたことを「放す」ことにつながります。
「話す」=「放す」なのです。
さらに、「話す」は「離す」でもあります。
隠したいことというのは、恥ずかしい愚かで罪深い自分の行為や思いではないでしょうか。
それを誰にも言えずに隠している間は、常に心が苦しく、重荷を背負った状態です。
そのことを自分でも忘れている場合がありますが、潜在意識に押し込めているだけであり、決して消えてはいません。その証拠に、夢で出てきたり、無意識にその影響を受けておかしな行動をしがちです。
それを洗いざらい話す。つまり吐き出すと、心はそれから解放されます。
そのうえで、ありのままの自分を受け入れることができたら、そこからスタートすればいいのです。
自分が隠したい秘密を話すことは、とても怖いことです。
自分の名誉も、立場も、信頼も、大切な自己イメージも全部が傷つき失うような恐怖を伴います。
だから聴く側は、その人がとても怖い思いをしながら、勇気を振り絞って話そうとしていることを理解してあげる必要があります。
秘密を話すということは、心の奥に溜まったドロドロを吐き出すということです。
吐き出されたものは、もうその人自身ではなく、その人が自分の心から放したものです。
ドロドロがその人から離れたのです。
その人はやっと、ドロドロの呪縛から放たれたのです。
おめでとうと言ってあげたい瞬間です。
不思議なことに、すっかり吐き出し、その思いや行いの奥にあった思いにまで気づけると、どうしても取れなかった思いや衝動が、きれいに消えることがあります。
統御できなかった心が、統御可能な状態になります。
無意識下で起きていた衝動が消えるからです。
提供:種村トランスパーソナル研究所
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