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心の傷を癒すために①・・・自分を許す



 
罪悪感と愛の裏切り

 私たちは、ある人に良かれと思って勧めた宗教や霊能者が、実は非常に問題のあるところだった場合、紹介した人が不幸になったことを知って深い後悔の念を持ち苦しむことがあります。また自分自身も、そこに裏切られ、不幸になって苦しむことも少なくありません。こういう場合に、どうして心の傷や罪悪感を癒せばいいのでしょうか。一つの事例を取り上げて、対策を考えてみたいと思います。

 ある女性Aさんは、知り合いに紹介された霊能者の女性がとても素晴らしく見えたので、大切なふたりの友人を紹介しました。最初はすべてがうまくいき、未来が開けるように思いました。

 ところが、そのセラピストの下で治療を受けていた友人が、治療を受けている最中に病気が重くなり入院してしまいました。どうやら悪い波動の影響を受けてしまったようなのです。また、セラピストに紹介したもう一人の友人も、人格が変わったようになり、Aさんと別れると言い出したのです。あとでセラピストが友人を奪ってしまったことを知りました。

彼女は、愛の裏切りにあって深く傷つきました。大切な人たち不幸にしてしまったことに愕然とし、罪悪感を持ちました。このケースで考えてみたいと思います。

 

自分を許す

 このAさんが癒えるためには、最終的には二つの許しが必要です。一つは友人やセラピストを許すということが必要ですし、もう一つは自分自身を許すということです。彼女は自分自身を許せないでいるからです。

確かに友人や彼を失ったきっかけを作った責任はAさんにあるのですが、その動機は純粋に相手をよくしたいと思い、自分も心をもっとよくしたいという気持ちからでした。動機は愛情や向上心でした。その点でAさんには救いが与えられています。

 私はこうした問題を考える際には、臨死体験者の体験を念頭に置くことにしています。臨死体験者は死後に私たちがどのようなイメージの世界を体験するのかを教えてくれています。

 ダニオン・ブランクリーという米国人は、25歳の時自宅で電話中に雷に打たれて全身がまる焦げになり、30分近い心停止の間に臨死体験をした人です。この方は心停止してから暗いトンネルをくぐりぬけて光の存在に出会い、そこで自分の人生を見せられました。

彼は小さいころから暴力的で、多くの人を殴りつけて育ち、米国の諜報機関でスパイの仕事をして武器を他国に運び込んでいました。人生の回想では、自分がしてきたことだけでなく、被害者の気持ちが被害者になったように感じとりました。自分が殴った男の子の屈辱感や怯えがストレートに伝わってきました。自分が運び込んだ武器によって家族を失った人々の悲しみや絶望も、心に押し寄せてきました。自分は何が間違っていたのかを、嫌というほど悟らされました。逆に、自分がしてあげたささやかな善意は、それを受けた人の喜びや感謝の思いを直接味わいました。それはどんなに素晴らしいものだったことでしょう。こうして彼は、自分の行いの善悪を、相手の気持ちを味わうことで悟ったのです。

 武器によって人々が不幸になるシーンは耐えがたいほど苦しいものだったといいますが、それでも「国のために」という正当な動機があったことが、まだしも救いとなったといいます。つまり、たとえそれが結果的に人を害するものであったとしても、その動機がよいものである場合には、心は慰められるのです。従って、Aさんの場合にも、友人やボーイフレンドのために心からよくなってほしいという思いで勧めたものは、あの世に行って回想しても、動機の美しさによって救われていると思います。(次回に続く)

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