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苦しみは成長のエネルギー



1.人生の壁

何度も何度も繰り返し出てきて、行く手を阻む乗り越え難い壁というものが、人生にはあります。

心に深い傷を負った人であれば、ふとしたことで怒りが爆発したり、乖離が起きたり、悲嘆にくれたり、自殺願望が何度も生じてくることもあります。
職場での人間関係の葛藤、あるいは男女問題の苦しみや子供の引きこもりなど、どの人にも特有の壁があります。

その壁をもう卒業できたかと思っても、新しい状況でまたぶり返します。

何度も繰り返し出てくると、「永遠にこの地獄から抜け出れないかもしれない、そうしたら自分は破滅だ」と絶望に襲われ、自分の無力感に心が折れそうになることもあります。

しかし、カウンセリングを通して学ばされることは、苦しみはその人の成長のエネルギー源であり、その人が変容し成熟していく力の源泉でもあるということです。

苦しみがなければその人は変わろうとしません。苦労して成長しなくても楽に生きてゆけるからです。

一番成長する時というのは、今の自分では乗り越えられない人生の壁に直面して、何とか乗り越えようと努力している時です。その時にもがき苦しみ、自分を真剣に見つめる中で、心が成長し、古い自分を脱皮してゆきます。

ですから、カウンセリングではカウンセラーがクライエントの苦しみを安易に取り除くように操作することは、その人の成長を阻害し、停滞させてしまうことになります。

クライエントが停滞した反作用はカウンセラー自身が受けます。そして自分の過ちに気づくまで苦しみます。
間違いに気づけば、そこから立ち上がります。そして、その人の苦悩をエネルギーとして心や人格の成長を促すカウンセリングへと変わっていきます。

2.自分を見つめる

苦しみに向き合う時のポイントは、自分を見つめるということです。

自分を見つめて、自分の心がどんな状態にあるのかを知り、なぜそれが起きているのかを知り、自分のどのような思考や感情がそれを呼び寄せているのかを問いかけます。

心に問いかける自己対話をしていると、さまざまな事柄がつながってきて、自分が見えてくることがあります。

たとえば問題の状態になる時に、直前にはどういうことがあったかと見なおすと、共通する課題を抱えた人と出会ったり話していて、その人の悩みのエネルギーを吸いこんでいる場合があります。やはり甘く考えずに自分をその都度、丁寧にクリーニングして心身の浄化をしないといけないと気づかされます。

またその時に自分の考えていたことを振り返ると、お金や地位や異性などに執着していたことを見出すこともあります。

執着があると、心はハエとり紙のような状態になっています。そしていろいろな人の闇の想念を引き寄せくっつけるのです。だから身体が重くなります。頭が痛くなったりもします。
ですから、自分の執着と向き合って、思いを変えるしかありません。

3.自分を否定しない

こうした自分を見つめる作業は、それまで目を背けてきた心の闇を凝視することでもありあります。

心の闇を見つめたときに、自分の存在自体を否定したくなります。

しかし、自分の存在を否定してはなりません。
どんな苦しみを抱えていたとしても、自分自身を否定してはなりません。

それは意味があって存在するものであり、その経験にも必ず意味があるからです。意味があって経験しているのであれば、肯定せざるを得ません。

自分を肯定し、その経験をしたことも受け入れながら、それを契機に成長してゆく道を見出す時に、苦しみは喜びに変わってゆきます。自分が変容し成長しつつある実感が喜びをもたらすのです。

カウンセリングはその方が自分を見つめることを促し、それを成し遂げるためのエネルギーを注ぐ行為であります。
そもそも自分で自分を見つめる自己カウンセリングが基本です。
ただし、自分の姿を自分自身で見ることが難しいので、自分を映し出す鏡としてカウンセラーがいます。

繰り返し出てくる壁に突き当たった時には、まずさまざまな角度からその壁を見つめてください。ある一つの見方をして絶望しているはずです。
まずその見方を変える必要があるのです。必ず別の見方は発見できます。同じ壁に向き合っていても、そこで感じるものや見えてくることは変わります。

それでも壁を乗り越える際の苦労はやはり残ります。
しかし、それは自分を成長させるエネルギー源です。
長い階段を登る労力はおなじでも、嫌な人に会いに行くときは苦行で、恋人に会いに行くときは希望の階段でしょう。
この壁も、それを乗り越えることで一層の成長をもたらしてくれるものであると分かると、人生の壁は自分に与えられた罰ではなく、成長を促してくれる機会に変わります。

どんな経験に必ず意味があります。成長への契機となるものを必ず含んでいます。それを見出した時に、人生が開けます。

だから決して自分を否定しないと心に決めてください。
そう決心して、今の問題に向き合ってみてください。
その積み重ねが、確かな心の成長をもたらすのです。


心理カウンセラー・種村修(種村トランスパーソナル研究所)
ご相談はメールや電話でもお受けしております。
℡ 090-8051-8198

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。 リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

2.見捨てられ不安と愛情飢餓

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境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

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もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。 もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

通常このタイプの人は、怒りだけでなく、あらゆる感情が激しくて、それを抑えるブレーキが壊れているように感じています。それは彼らが痛みに対して、非常に過敏な心を持っているからです。ある専門家はこれを、全身の9割に重度の熱傷(やけど)を受けているような状態だといいます。「感情という皮膚がなく、わずかに触れたり、動いたりするだけでも、彼らは苦痛に悶えるのです」。ですから制御できなくて激しい反応が起きてしまうのです。
この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

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境界性パーソナリティ障害の二番目の特徴は、人間関係が不安定で変動が激しいことです。
「理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係」というパターンがあるのです。


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このタイプの人は、心の深いところで母親や父親の代理を相手に求めています。ですからその欲求を満たしてくれる人に出会うと、どんどん依存を深めていきます。

さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


もし恋人関係になったとしても、この関係は長続きしません。どこかで相手が支えきれなくなるからです。相手がその人のもつ過大な期待にしり込みしたり、あるいはもう飽き飽きしたという態度を取ると、境界性パーソナリティ障害の人は「見捨てられるのではないかという不安」に捉われます。
そこで必死にしがみつこうとしたり、相手の気を引く行動をとります。

それでもさらに相手が引くそぶりを見せると、激しい失望を感じて、「裏切られた!」と怒りを感じます。そうすると、今度は相手が攻撃の対象になりかねません。


些細なきっかけで、その人の何らかの要求が満たされないと、評価が180度逆転して、罵詈雑言を浴びせることもありがちです。そして「最低!」「信じて損した」「私の時間を返してよ」という具合に、激しい言葉を浴びせるのです。言葉だけでなく、行為で迷惑をかけることもあり、相手は翻弄されていくことになります。
②アンビバレント(両価的)な感情
このタイプの人を理解する鍵は、「アンビバレント(両価的)」な感情にあります。