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過去の回想と心の浄化(2)



回想の方法

(前回からの続き)

相手の気持ちに触れる

 書くときに、過去の回想として書くという方法がまず思い浮かびますが、ロールレタリングという往復書簡法を使うと、非常に効果的に回想が進みます。往復書簡法を使うのは、たとえば父親との関係を振り返りたいときは、自分と父親との手紙のやり取りを、自分が双方の立場に交互になって行うのです。その時に、父親の視点に立って書くと、今まで自分が思ってもみなかった父親の気持ちに触れたり、忘れていた記憶がよみがえってきたりします。

 過去の回想で最も重要なのは、自分が周囲の人にどういう影響を与え、どういう思いをさせていたかを理解することです。これが分かると、真の意味での反省ができます。自分の発した言葉で相手がどれほど傷つき苦しんだのかを知ると、おのずと反省せざるを得なくなります。申し訳なかったという気持ちが生まれ、償いたいという思いを持つのです。そして二度と同じことをしまいという決意がうまれます。

 この時に、自分を裁かないことが大切です。自分を裁いて自己卑下したり、罪悪感に捉えられると、あらたな傷が生まれます。これでは癒されません。そういう自分であっても生かされて生きているという事実に気がついて、感謝の気持ちを持つことが必要です。そして、そういうプロセスを経てきた自分を、これも自分であると受け入れることが必要です。
 

臨死体験者の経験をヒントに

 私はこの時にどういう気持ちで自分を見つめるかという点では、臨死体験者の方の経験が非常に参考になると思います。臨死体験者は、過去の自分をまるでスクリーンの映像のように見るといいますが、その時に「光の存在」が立ち会ってくれます。その「光の存在」は決して非難したり裁いたりすることなく、「おじいさんが孫に与えるような、無条件の思いやり」(ダニオン・ブリンクスリー著『未来からの生還』)をもって寄り添ってくれます。そして、「その経験からあなたは学ぶことができる。何か大切なことをあなたは学ぶ」という無言の信頼に満ちたメッセージを送ってくれるのです。

 この「光の存在」の温かい視線で、過去の人生の経験やその時の心の動きを見つめるのです。そして決して裁かず、その経験を通して得ることが期待されている洞察を得ようとします。「この経験通して、私は何を学ぶことが期待されているのだろうか」「何を学ぶためにこういう経験をしたのだろうか」と自分自身に問いかけて、その答えを待つのです。それによって真の癒しが得られます。

 もちろん、カウンセラーがいる場合には、カウンセラーが「光の存在」の役目を引き受けます。それによって、相談者は自分を傷つけることなく、過去の回想ができるのです。

 
深層潜在意識の浄化

 私たちは深層潜在意識にある過去世の記憶は、通常は覚えていません。例外は2歳から6歳ごろまでの子供です。彼らのなかには、過去世の記憶や母親の胎内での記憶を持っている人がいます。アメリカの心理学者には、膨大な数のそうした子供の事例を調査した大学教授おられ、権威ある仕事として評価されています。

 大人でも、訳の分からない不安や恐怖心に悩むことがあります。今までそれらしい経験をしたはずがないのに、どうしようもなく不安が込み上げたりする人がいます。

カウンセリングの最中でも、時々そういうケースに出会います。この場合は、まず込み上げてくる感情に意識の焦点を当てます。どういう感情が込み上げるのかをつぶさに味わいます。そしてその時にどういうイメージが湧いてくるかに意識を向けます。そのイメージを簡単なクレヨン画にすることをお勧めします。イメージが湧けば、そのイメージを使って、さらにその時の状況や心の動きを調べることができます。それぞれのイメージが発しているメッセージや主張を心で感じ取るのです。そうすると、おぼろげながらも過去世で経験したことがどういうことだったのかが、理解できるようになります。

これは深層潜在意識に蓄えられている記憶であり、過去世にできたトラウマです。必要があれば、それは私たちの意識にのぼってくることがあるのです。特にカウンセリングの最中には、それが思い出されやすくなります。そのときに、潜在意識が心の傷の癒しを求めて、封印されていた記憶や感情が表面意識に浮上してくるのです。それを味わって、深く理解し、その経験を通じて得られる魂の教訓を理解できると、そのトラウマは次第に消えていきます。この場合に、特に退行催眠は必要ありません。覚醒したまま行いますので、非常に安全です。

 
心理療法のために

 以上みたように、私たちの心の浄化には、過去の回想が不可欠です。そして、自分が抑圧してきたものを見出し、それと向き合うことが決定的に重要です。

ですが、抑圧は、それに気付くことを拒否した感情です。だから、発見が困難です。

 そこで、夢や投影法を使う必要が出てきます。表面意識を鎮めて潜在意識が浮上しやすいようにする方法も必要になります。これは心理療法(カウンセリング)の領域ですが、個人でもできないわけではありません。しかし、やはりカウンセラーによる手ほどきを受けることが早道だと思います。

個人でする場合でも、カウンセリングでする場合でも、丹田呼吸法が十分いできていると、非常にやりやすいのは事実です。この「希望のブログ」でも、しばしば呼吸法に言及しているのは、それが大変有効で必要不可欠だからです。

 
 なお、多忙、もしくは遠方の方でカウンセリングができない人のために、メール・カウンセリングを行っています。書くことによって回想が進みますし、ロールレタリングの指導も行っており、心の浄化には効果的です。ご希望がある方は、メールか電話でお問い合わせください。(種村)

 
<連絡先:種村トランスパーソナル研究所>

所長兼心理カウンセラー 種村修

 電話番号:090-8051-8198

 メールアドレス:tanemura1956@gmail.com

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。 リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

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このタイプの人は、心の深いところで母親や父親の代理を相手に求めています。ですからその欲求を満たしてくれる人に出会うと、どんどん依存を深めていきます。

さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


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そこで必死にしがみつこうとしたり、相手の気を引く行動をとります。

それでもさらに相手が引くそぶりを見せると、激しい失望を感じて、「裏切られた!」と怒りを感じます。そうすると、今度は相手が攻撃の対象になりかねません。


些細なきっかけで、その人の何らかの要求が満たされないと、評価が180度逆転して、罵詈雑言を浴びせることもありがちです。そして「最低!」「信じて損した」「私の時間を返してよ」という具合に、激しい言葉を浴びせるのです。言葉だけでなく、行為で迷惑をかけることもあり、相手は翻弄されていくことになります。
②アンビバレント(両価的)な感情
このタイプの人を理解する鍵は、「アンビバレント(両価的)」な感情にあります。