心の状態を分かりやすく表現してくれているのが肉体。
なので、肉体を軽視したら心がわかりません。
これはシンプルですが、とても奥の深いことです。
私は、ある時、朗読したり歌ったりするときに、口をすぼめる癖があることに気づかされました。
特に人前で声を出す時に、無意識に口をすぼめていたのです。
その奥にあるのは、恥ずかしいという気持ちです。
自分を出すことが恥ずかしいという意識がある。
だから無意識に口をすぼめていたのです。
その気持ちをさらに深く見つめると、
一種の罪悪感を持っていることに気づかされました。
良い悪いを自分勝手に判断して、これは悪いと決めて自分を否定している。
こんな自分を出したくないと思っている。
だから無意識に口をすぼめていたのです。
悪い自分を隠して、人前でかっこつけようとしていると、妙に構えた発生の仕方になります。
歌う時にはそれが出ました。
発声で大きく口を開いて声を出すのは、結構抵抗がありました。
自分をさらけ出すのが嫌だったのです。
国歌「君が代」を歌ってみました。
これは普通の声の出し方では、高音部分がかすれてうまく歌えません。
とても発声が難しいです。
声が出ないので、椅子にお腹を載せてウルトラマンが空を飛んでいるポーズをして、お中で体重を支えました。
さらにその上に人に乗っかってもらいました。
この状態で歌を歌うと、声が出るのです。
それは肚から声を出せるようになるからです。
体重が重い人に乗ってもらう方が、よく声が出ました。
肚から声を出すという感覚が、これでつかめました。
だれもが肚から声を出しているときは、腹を抱えて笑う時です。
このときは自分を隠そうとしません。
大笑いして自分をおおらかにさらけ出しています。
このときもっとも丹田が動きます。
丹田が動くとき、一番全身のエネルギーを使っています。
丹田は本来は全身です。
下腹部にある丹田は、その一部であり、中心でもあります。
丹田を動かすことは、全身のエネルギーを使うことを意味しています。
肚を使っての発声が苦手な私は、胸から上のエネルギーしか使えていませんでした。
祈りでも、歌でも、話をする時でも、胸から上、場合によっては喉から上のエネルギーしか使えていなかったのです。
丹田は肉体の全エネルギーを包み込んでいるにとどまりません。
丹田は深層潜在意識の全部と、超越潜在意識までを包み込んでいます。
だから、頭で考えるときは首から上のエネルギーしか使っていないのですが、直観を働かせるときは潜在意識を含めた全部のエネルギーを使います。
ですので、直観把握する時は、思考よりも、もっともっと深く本質的な洞察ができるのです。
丹田は頭では捕捉できません。
体験的に知るしかありません。
笑う時には誰もが丹田を動かしています。
肉体の使い方を訓練して丹田を動かすとはどういうことかがわかります。
心をみつめる上で、肉体は無視できないのです。
種村修(心理カウンセラー)
メールアドレス:tanemura1956@gmail.com
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