なにかが起きたとき、その原因は一つとは限りません。
体調が不調で肩がこり頭が痛いといった時に、私たちはその原因を考え、取り除こうとします。肩こりや頭痛に効果がある薬を飲んで、それですますことが多いかもしれません。
しかし、1つのことが起きたとき、1つだけの原因しか考えないのでなく、3つの観点から考えてみてはいかがでしょうか。言い方をかえると1つのことから3つのことを学ぼうとするのです。それを心がけることで気付きが多くなります。
確かに肩がこり頭痛がする時は肉体的な原因があるのかもしれません。パソコンに向かう時間が長く目が疲れたのが原因かもしれません。肩や首筋にうっ血が生じており、血管が圧迫されているのかもしれません。もみほぐしたり、薬で症状を和らげることが効果があることもあります。
しかし、案外、食べ過ぎが原因かもしれません。食べ過ぎて体が重く、体のバランスが狂ってきたせいかもしれません。あるいは同じ姿勢を長時間取り続けたことが原因かもしれません。もしくは寝不足が高じているだけかもしれません。肉体の原因でも、さまざまな可能性が考えられます。
しかし肉体的な方面だけ見るのは明らかに片手落ちです。心の観点からも見つめる必要があります。その時に何か悩みを抱えていて悶々としていることが、そうした肉体症状の原因かもしれません。
その心の悩みに対して、類は友を呼ぶの諺(ことわざ)にあるように、他の人の発している同種類の悩みのエネルギーを呼び込んでいる可能性もあります。他の人のエネルギーといっても、生きている人のエネルギーもあれば、すでに死んだ人のエネルギーを惹きつけている場合もあります。
そうではなくて、何か悩みや同じ肉体症状を持った人と会って、そのエネルギーを吸い込んでしまった可能性も考えられます。
心を静かに鎮めて、心に浮かんでくる思いを見つめていると、誰のエネルギーが来ているかを感じ取れることがあります。その時に気になる人が、そのエネルギーの主であることがあります。一日の中で出会った人、また自分が気になる人、自分を恨んでいる人など、いろんな可能性を点検して心に問いかけることで、見えてくることもあります。
そのエネルギーが来ていることにまず気が付くことです。それが、そのエネルギーを取るには必要になります。気が付けば、支配されなくなるのです。しかし、気が付かないままだと、無意識のうちにそのエネルギーの影響を受けて動いてしまいがちです。これがのりうつりとか憑依という現象です。
そういう時は、普段の自分とどこかが違っているはずです。なにか違和感があるものであり、それは家族や職場の人が先に気づくかもしれません。しかし、自分が気が付けば、それと離を置くことは可能になります。そのエネルギーに対して、お引き取りくださいと、強く念じることです。
ただし、自分の思いの中に葛藤やストレスを抱えていて、他者の同種のエネルギーを呼び込んでしまっている場合は、自分の葛藤やストレスを和らげて心を転換しないと、そう簡単には取り除けません。自分の抱えている心の問題に目を向けて、それと向き合い乗り越えることが必須となります。
一つの現象はいろいろな原因が複合して起きてきます。だから一つの原因を見つけたとしても、それで終わらないことが重要です。少なくとも3つぐらいの観点から原因を探り、さまざまな可能性に目を開くことで、気づきが増えていきます。
また、その現象が自分にとっての何らかのサインであることが少なくありません。何か生き方の上でバランスを崩していたり、思いや行動の修正を必要としているのかもしれません。誰かの影響を無意識に受けて、自分らしさを損なってる可能性もあります。そうしたことに気づくことは、自分の成長を促してくれる学びとなります。
一つのことから一つのことしか学べないのであれば、人生は非常に効率の悪い学習の場です。しかし、1つのことから3つ、あるいはそれ以上学べるのであれば、人生は多くの学びを得る機会となります。
心理カウンセラー・種村修(種村トランスパーソナル研究所)
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