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夢で心を見つめる③・・・焦り



ある中年の男性は、こんな夢を見ました。

彼は久しぶりに、いつも相談に乗ってもらっている知人に会いました。その時に知人から、まったく新しいことを教わり、心がざわつきました。
「そんな話は知らなかった。他の人はもう聞いているのだろう。自分は遅れているにちがいない。」
そう思ったのです。

すると夢のシーンが変わりました。今度は以前に所属していた団体の長が、まったく新しい話をしているシーンが出てきました。初めて聞く本の名前も多くあり、彼はもっと心がざわつきました。
「しまった、自分は後れを取ってしまった。他の人からずいぶん遅れてしまった。遅れを取り戻さねば。何冊も本を読み、新しい情報を学ばなくてはならない・・・。」

そう思っているところで、目が覚めました。

この夢は、現在と過去の二つにまたがったシーンが出てきました。
過去にあった思いが、過去だけに終わらず現在も共通していることを暗示しているのでしょう。

その思いとは何か。
共通する感情に意識を向けて見ると、「焦り」です。

彼は思い当たることがありました。
彼が過去にいた団体では、そこで説かれた情報をいち早く学習し、マスターすることが指導的な立場に立つための条件だったのです。情報はどんどん分野が変わるので、その都度一所懸命に勉強して、少しでも人より優位に立とうと焦っていました。
そこで学ぶ情報は、人の心や生き方に関する情報であったにもかかわらず、次から次から新しく出てくるので、実践している暇がなかったといいます。
要するにいくら学んでも、単なる知識に過ぎなかったのです。
彼はそこでは、次々に出てくる新知識を学び、実践することなく、整理して話す。それだけの作業を繰り返していたのです。
いくら学んでも、人格の成長は伴わず、心は常に焦りに支配され、人より優れたい、より認められたいという欲望ばかりが膨らんでいたと言います。

その傾向は、今も続いているということを、夢は警告していました。
実践して体験し、自分自身の得たものとするのでなければ、何を学ぼうと心を成長させることはありません。
自分が本当につかみ取ったことではないからです。

人から聞いた知識はそれを自分で実践して本当かどうか確かめ、自分の気付きとなったときに、初めて血肉(ちにく)となり、心と人格の成長をもたらします。
夢で味わった焦りの奥には、学び方に対する考え違いも潜んでいると思いました。

こういう未熟な自分の姿は、決して見たくないネガティブな自分です。否定したい自分でもあります。だから人は、抑圧してそれに気がつかないようにします。
しかし、そうすればするほど、そのエネルギーは潜在意識に溜まって、無意識のうちに自分をあやつるようになるのです。
それに気づかせるために夢に出てくるのでしょう。

夢の中のネガティブな自分は、自分の影です。
影とは自分が否定したいと思う人格のネガティブな側面のことです。
中年以降は、影との対決が人格成長の重要な課題となります。
まず向き合って、「これは自分の影だ、そして自分自身だ」と受け入れることが必要です。
その時、影は、意識の奥に隠れて無意識に操るのをやめて、意識の一部となり、成長を手助けしてくれるエネルギーに転換するようです。

種村トランスパーソナル研究所(心理カウンセラー・種村修)
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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。 リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
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このタイプの人は、心の深いところで母親や父親の代理を相手に求めています。ですからその欲求を満たしてくれる人に出会うと、どんどん依存を深めていきます。

さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


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そこで必死にしがみつこうとしたり、相手の気を引く行動をとります。

それでもさらに相手が引くそぶりを見せると、激しい失望を感じて、「裏切られた!」と怒りを感じます。そうすると、今度は相手が攻撃の対象になりかねません。


些細なきっかけで、その人の何らかの要求が満たされないと、評価が180度逆転して、罵詈雑言を浴びせることもありがちです。そして「最低!」「信じて損した」「私の時間を返してよ」という具合に、激しい言葉を浴びせるのです。言葉だけでなく、行為で迷惑をかけることもあり、相手は翻弄されていくことになります。
②アンビバレント(両価的)な感情
このタイプの人を理解する鍵は、「アンビバレント(両価的)」な感情にあります。