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不安に憑りつかれる

 1.不安に憑りつかれると・・・ 不安に憑(と)りつかれるという言葉があります。 まるで「不安」という「エネルギー」もしくは「想念」が、頭に憑りついたようになり、「不安」に支配される状態を、よく表現している言葉だと思います。 不安に憑りつかれると、見るもの聞くもの、起こる出来事が、自分を害するものに感じられてきます。 普通の状態なら何でもない出来事でも、不安に憑りつかれた心で見ると、不吉で嫌な予感を引き起こすものとなってしまいます。 あるご婦人にとっては、自分が清掃している職場や自宅の前の道に、つばや痰が落ちているだけで、しつこく付きまとう男性 A が、また自分を探し当てて割差をしてきた証拠になると言います。男性 A は 20 年前にある職場で一緒だった元上司なのですが、どういうわけか転職しても、結婚して引っ越ししても、ご婦人の居場所を見つけ出しては、唾や痰を吐いて嫌がらせを繰り返すのだといいます。第三者から見ると、それは被害妄想にすぎないと思えるのですが、ご婦人にはそんな説明はまったく通じません。 不安に憑りつかれている人は、被害妄想をつくり出すのです。 これとよく似た状態が、われわれの日常でも起こりえます。 不安に憑りつかれると、なんでもないことが、目に見えない陰謀やマイナスのエネルギーが自分を狙っている証拠に感じられてきます。湧き起った妄想によって、さらに不安が膨れ上がります。心は常に不安にさいなまれ、ざわざわして安らぎがなくなります。 あるカルトにいた人は、悪霊や悪魔が自分に悪さを仕掛けてくるので、怖くて仕方がないと言います。いろんな出来事の奥には悪魔の働きがあり、それが自分を陥れようとしていると思えるのです。 往々にしてこういう時に、さらに不安をかきたてる夢を見るものです。 自分が人に知られたくないことが暴かれたり、絶対に失いたくないものを喪失してしまう夢をみて、冷や汗をかいたり、動悸で目覚めるということもあります。 2.心の奥を見つめる 不安の奥にあるものを見つめてみると、自己保存欲が見えてきます。自己保存欲の中味は名誉であったり生命の安全であったり、お金であったりしますが、自分の存在が何かにおびやかされているのです。じっと見ていると、それを予想して怯(おび)え