心に浮かぶ思いやイメージに注意を向けてていると、考えたくない内容を考え、思いたくない思い出を繰り返し思い返している自分に気が付きます。いやな気分をいくら振り払おうとしても、思いが切り替わりません。そのことをもう考えたくないにもかかわらず、考えてしまうのです。
仕事をしているはずなのに、あるいはゆっくり休んでいるはずなのに、心はその思いに繰り返し繰り返しとらわれていきます。そして気分も不快に染まっていきます。そして悲観、失望、怒り、悲しみ、不安、怖れなど、ネガティブな感情が気分を支配してゆくのです。
こういう時に、心をまずニュートラルな状態にする必要があります。ネガティブな心の状態をすぐにポジティブには変えられません。まずネガティブな状態を止める必要があるのです。これがニュートラルな状態にするということです。
その為には身体に意識を向けて、身体を活用することで心を変える方法が効果的です。
(1)体を動かす
散歩する、走る、筋トレをする、ラジオ体操やヨガをする。これは心を切りかえるにはとても効果がある方法です。
じっとして考えていると気分が重い時でも、動きだし体を使って何かをしていると気分が晴れてくることはよくあります。
うつ状態で悲観していた人が、筋トレに通いだして筋肉に意識を向けて汗を流しているうちに、頑固なうつが消えたことに気がついたこともあります。
動くことは変化を作りだすことです。心の変化を作りだすために手っ取り早いのは、身体を動かすことなのです。
(2)呼吸法
それでも、どうしてもある考えや感情が切り替わらない時があります。
その時に有効なのが、呼吸法です。
数に意識を集中しながら、呼吸している身体の状態にも注意を向けます。
呼吸法に集中すると、それまでの思いがいったん途切れます。こうしてニュートラルになった状態から、今目の前のことに意識を集中させていけば、心は切り替えやすくなります。
私はいろいろ呼吸法をためにしてみたのですが、自分にあった有効な方法は次のようなものです。人によってやりやすい方法が違うと思いますので、最初はまねてみて、やがて自分にあうものへと変えてくださればいいと思います。
まず、心の中で数を数えながら息をゆっくりと吐きます。ゆっくり数を数えながら口から息を吐き出します。
苦しくなったら鼻から息を吸いますが、その時に3つ数を数えます。3つ数える間にたっぷりと空気を吸います。
そしてまた数を数えながら口から息を吐きます。最初は15数えていたのですが、次第に長くなり、今では25から35ぐらい数えて吐きだし、それから息を吸うようにしています。
この呼吸法を5回行います。指を折って数えると、忘れないので便利です。
5回しっかりとこの呼吸法をすると、それまで堂々巡りしていた内容を考えるのを中断でき、ニュートラルな状態にできます。
なお息を途中で止めないほうが調子がいいので、息を吐き終わったら吸い込み、息を吸い終わったら吐き始めます。息を止めないわけです。
呼吸法の時に頭の中では数を数えているのですが、同時に呼吸をしている身体にも注意を向けると良いと思います。吸う時は鼻孔に空気が入るのを感じ、吐くときは、丹田を意識し、腹筋で下腹がすぼんでいくのを注意して観察するのです。
呼吸法で心をリラックスするには、吐く息が長くなることが大切です。ですのでまずは吐くときに15ぐらい数えることを目安にし、可能ならそれを伸ばしてゆくことをお勧めします。
この呼吸法は数分間でできます。仕事の休憩時間にも行うことができるので、習慣化されると効果が高いです。
さらに時間がある時は、呼吸法の後に「慈悲の瞑想」に入ると、気持ちが豊かになり、完全意心が切り替わると思います。そして心地よい感覚を感じ、身体が軽くなると思います。
慈悲の瞑想については、こちらのブログをクリックしてください。
種村トランスパーソナル研究所
心理カウンセラー・種村修
℡ 090-8051-8198
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