(前回から続く) 3 .生活の構造化 うつ状態で苦しい時に、生活を変える第一歩は、生活の「構造化」に取り組むことです。「構造化」とは、何時ごろに何をするかを決めて、一日の生活サイクルをきめ、それを実行することです。生活の「枠組み」をきめることです。 その際に、過去、人生の辛い時期をどういう生活習慣によって乗り越えたかを回想することは、役に立つと思います。 私の場合は、家庭環境の影響もあり、毎朝、神棚や仏壇に手を合わせて祈ったり、拝んだりすると、一日のリズムが整いやすいようです。また、丹田呼吸法をすると、心が安定し、身体のリズムが整うので、常におこなっています。これらをまず一日の始めに行うときに、生活がうまく回転し始めることが多いので、この二つは推薦できると思います。 生活の構造化への取り組みでは、最初は無理をしない方がよく、できるところから少しずつやっていくのがベターです。 その際に、身体を動かす方法を取り入れることは大切です。外に出て歩いたり買い物をしたり、神社めぐりや自然の観察をしたり、そうした時間を一日の中に取り入れるのはお勧めします。 よどんだ水が腐るように、家でじっとひきこもると心が腐っていくような気分になりがちです。 体を動かすということは、とても大切です。よどみを感じたら、まず動くのです。すると、流れている水が腐らなくなるのと同じで、心のエネルギーきれいに流れ出すのです 。 運動への配慮は心身一如の東洋医学の発想から見ても、非常に意味があります。テレビ体操や散歩などは、血流をよくしますし、筋力の増大につながります。血流がよくなれば、脳の働きもよくなります。また筋力の増大は気力を増すので、うつ対策には不可欠です。もし筋トレに行けるようなら、筋トレでポジティブ思考に転換しやすくなることを実感されると思います。 うつ病が回復し、なんとか仕事ができそうであれば、無理しない範囲で何かの仕事をすると、生活のリズムができるのでよいと思います。その際は、どんな仕事でも、負担にならないものであれば行った方がよいでしょう。自宅での家事の役割分担だけでもよいと思います。 一定の時間に決まったことをするのは、とても重要なことです 。それによって生活にメリハリができます。そして心が安定してゆきま