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傷つきと失敗を恐れる人・・・回避性パーソナリティ障害⑤どう接すればいいのか



どう接すればいいのか

(1)本人の主体制を尊重する

回避性パーソナリティ障害の人を育むうえで一番大事なのは、本人の気持ちを大切にして、本人が主体的に、自分自身の意志で生きていこうという気持ちを育てることです。

それまで、たとえば未成年者の場合、本人はやりたいと思っていない習い事を強制されて、しかもそれできなければ、「そんなこともできないの」と、責められ、否定されてきたのかもしれません。

日ごろから、本人が何を求め、何をやりたいのかということを感じ取り、聞くことです。親がやらせたいことではなく、本人がやりたいことを尊重することが大事です。

またできなくても、助けを求めたり、そこから逃げ出す自由を保障してあげることも必要です。

本人の主体性を育てるためには、本人が意思表示をするのを、じっと待つという「忍耐」が周囲の大人に求められてきます。なかなか本人が自分の気持ちを言わないので、つい先走って何かをしてしまうことは、本人の主体性の芽を摘んでしまうことになりかねません。

本人に自分の気持ちを話しをしてもらい、自分から何かを行動し、それをした結果は自分自身が受け止めるという態度を求めていくことです。これが回避が長期化して、「引きこもり」という人生の暗礁に乗り上げる事態を未然に予防し、自立へと向かってもらうことにつながります。

(2)回避行動を長引かせない

回避という行動は、心的外傷体験(トラウマ体験)や長く続いたストレスから自分を守ろうとする自然な自己防衛の反応です。要はそれが長引かないようにすることが必要なのです。

一時的な回避行動には、周囲が過剰反応せず、まず休ませてあげることが必要です。「もうだめだ」と、心の紐がブチ切れる前に、ほどよく心の紐を緩めてあげるのです。「疲れたときは休めばよい」ということを教えることは、長く人生を生き抜くうえで必要な智慧を与えることです。

ある一つのことができなくても、ある場所ではうまくいかなくても、それは決して人生が全部だめになったわけではありません。別の選択をすれば、幾らでも生き筋が見えてきます。

多様な選択枝を肯定することが、人生のゆとりとなり、ある意味では人生の避難所を提供します。どこであれ、自分の居場所ができれば、そこから再起することは、十分できます。

そのためにまず必要なことは、いったんプライドや理想、期待や目標から自由になるということです。高いプライド、高い期待をいったん引き下げることです。あるいはいったん棚上げして、問題にしないことです。

(3)親は自分のことに専念する

一般的にいって、強迫性パーソナリティの傾向を持つ親の元に、回避性パーソナリティ障害の子が出やすいという傾向がありがちです。

強迫性パーソナリティ傾向というのは、「義務感、責任感が強く、例えば、子どもは学校に行くのが仕事で、どんなことがあっても、自分の仕事を果たすべきだと思いこんでいる人」をさします。「ねばならない」という気持ちが極端に強く、それを自分にも人にも強制します。完全主義的で、いいかげんなことを許せません。

親にこういう傾向が強くある場合、子供はその親の義務感の押し付けにくたびれて、動けなくなることがあります。実は、動けないということ、これが子供の意思表示なのです。それは声にならない子供の精一杯の訴えです。こうなるといかに親が子供に義務を説こうが、子供は聞く耳を持ちません。

親が言葉に出さなくても、心の中で非難しているだけでも、子どもはプレッシャーを感じ続けます。

ですので、子どもの人生の主導権を子供の返還して、一喜一憂せずに、本人を信じることです。こういう時はこどものことをかまいすぎず、親が自分のことに専念したほうが、子どもには心の余裕が生まれ、主体的な変化が起きやすくなります。

子どもの手本になるような行動を、自分自身がしてみようと思って、子どもがまねようとまねなくても気にせず、自分のするべきことやしたいことを行うのです。そうすると、子供に関わっていた時間とエネルギーが自分のために有効に使えるようになり、思わぬ成功をおさめたりします。すると子供を見る目にもゆとりが出てきたりするのです。

(4)ほどよく肩を押す

回避性パーソナリティ障害になった人は、心の中で自分を否定しています。

自己評価が低く、周囲のだれかが「やっぱりお前はダメだ」と言うと、その言葉は正しいものとして受け入れ、「やっぱり私はダメだ。だから何もできない」という結論に落ち着いてしまうのです。

ですので、できれば第三者の協力を得ながら、本人が気がついていないいいところや、本人がたいして評価していないような長所を見つけだして、それをほめ、挫折感や劣等感から抜け出すのを助ける必要があります

またさりげなく、本人がやりたいと思うことを、勇気を持ってやれるようにさりげなく励ますことも大切です。

周囲の思い入れが強すぎると、本人の気持ちを追い越して、期待して潰してしまいがちです。ここまでできたのだから、これもできるだろう、あれもしてみようと、周囲が先回りして期待をすると、本人はそれをプレッシャーに感じて心が潰れてしまうのです。

ですので、本人を追い越さない程度に、さりげないはげますが大切です。そしてほどよく肩を押してあげてほしいのです。

  
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種村トランスパーソナル研究所ではカウンセリングを行っています。
直接お会いする対面カウンセリングとともに、電話カウンセリングやメールによるカウンセリングも行っています。相談してみたいと思われるかたは、遠慮なくご連絡ください。
℡090-8051-8198 
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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

2.見捨てられ不安と愛情飢餓

境界性パーソナリティ障害を持つ人は感情がとても不安定です。

たとえば、片時も離れたくないほどの恋人だったはずなのに、突然鬼のような怖い顔になり怒りまくる。たんなるお友達のはずなのに、夜中まで突き合せておきながら、翌日はがらっと態度が変わり激しく罵倒する、などなど・・・。

こうした極端に不安定な気持ちや言動の元にあるのは「相手に見捨てられるかもしれない」という不安です。しかも、その「不安」は、本人が思いこんでいるだけで、相手にしてみれば全く心当たりがない場合がほとんどです。そのため何を怒っているのか、見当がつきません。

境界性パーソナリティ障害の人は、大変深刻な「見捨てられ不安」をもっているのです。そのために、ささいな…

境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

①感情がコントロールできない

境界性パーソナリティ障害の人も私たちも、もっている感情に違いはありません。ただ違うのは、私たちより「物事を強烈に感じ、より激しい形で反応し、自分自身の感情や行動をうまくコントロールできない」ということです。
境界性パーソナリティ障害の人の怒りは激しく、予測不可能で、筋道を立てて話をしても抑えることができません。大雨の後の鉄砲水や地震や、晴れた日の雷のようなものです。現れるのと同じように、消えるのも突然です。

もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

通常このタイプの人は、怒りだけでなく、あらゆる感情が激しくて、それを抑えるブレーキが壊れているように感じています。それは彼らが痛みに対して、非常に過敏な心を持っているからです。ある専門家はこれを、全身の9割に重度の熱傷(やけど)を受けているような状態だといいます。「感情という皮膚がなく、わずかに触れたり、動いたりするだけでも、彼らは苦痛に悶えるのです」。ですから制御できなくて激しい反応が起きてしまうのです。
この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

②怒りの奥にある生き残り戦略…

境界性パーソナリティ障害2…主な特徴と種類

①極端な気分、感情のブレが特徴

境界性パーソナリティ障害を抱えた子どもやパートナーと一緒に生活すると、次のような経験をすることがあります。
・何のことはないごく些細な言葉で、さっきまで楽しくしていたのが、急に怒りだして手がつけられなくなる。
・少し言い過ぎた言葉、その一言でむきになり、家を飛び出してしまう。時には自殺企図へと走ったりする。
・一言注意されると、もう怒りが爆発して、手が付けられないほど暴れまる。
・冗談で言った言葉にすら、深く傷つき思いつめてふさぎ込む。
・何気ない動作が、愛情の希薄さだと責められて、唖然としてショックを受ける。
子どもやパートナーがこうした反応を繰り返すと、家族はしだいに腫れ物に触るように、顔色を常に窺いながら、機嫌を損ねるのを恐れながら暮らすようになっていきがちです。薄氷を踏むような危うさ――。家族は言いたいことを言えず、常に自分を抑えて暮らします。
こうして家族はその人に支配されているような状態に陥り、息苦しさを感じます。もちろん、ご本人にはそうした意図はありません。ご本人はどうしようもない感情・気分のブレに苦しんでいるのですが、結果的には周囲を支配しているのと変わらない状況が生まれがちです。

境界性パーソナリティ障害は、感情や気分、行動の変化があまりにも激しいという特徴があります。しかも変動の幅が大きすぎ、まったく正反対の方向へぶれたりします。
飛行機の操縦かんを動かし過ぎると、機体は激しく振動し、上下にもブレを繰り返すといいますが、同じことが心の操縦かんで起きているのです。
アメリカで作成された「DSM―Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引き」を見ると、境界性パーソナリティ障害の診断基準として次のような項目があります。

「顕著な気分反応性による感情不安定性」・・・(例)通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い深い気分、いらだたしさ、または不安。
「不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難」・・・(例)しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いの喧嘩を繰り返す。