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傷つきと失敗を恐れる人・・・回避性パーソナリティ障害①診断基準


回避性パーソナリティ障害とは、「傷つきと失敗を恐れるあまり、人と接触したり課題にチャレンジすること自体を避けてしまう」という特徴を持つパーソナリティ障害です。

この障害をもつ人は、傷つくことや失敗することを極度に恐れます。

自分に自信がなく、失敗するくらいなら、最初からやらないほうがいいと思うのです。

なぜそうなるかというと、「どうせ自分は失敗してしまう」とか、「どうせ自分は人から嫌われてしまう」という否定的な思い込みを強く持っているからです。

どうせ自分はダメなんだ」という思い込みがあるので、「それなら最初から何もしないでいるのが一番安全で楽だ」と考えてしまいます。

その結果、人との接触や新しい仕事にはすごく緊張して怖気づき、親密な友達ができなかったり、もし恋人ができても深い身体的な接触ができずらかったり、仕事を転々としたり、最終的には引きこもりになってしまう人もいます。

一般的に親に褒められた記憶があまりない方や、いじめを受けて人が信じられなくなった経験を持つ人に、この障害が多く見られます。

アメリカ精神医学会の「回避性パーソナリティ障害の診断基準」をここに紹介します。

全部で7項目ありますが、その中で4項目以上が当てはまると、その人は回避性パーソナリティ障害と診断されます。


①批判、否認、または拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動をさける。

②好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたいと思わない。

③恥をかかされること、またはバカにされることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示す。

④社会的な状況では、批判されること、または拒絶されることに心がとらわれている。

⑤不全感(注:十分でないという感覚)のために、新しい対人関係状況で制止が起こる。

(注:制止は、心理学ではうつ状態の際に見られる精神運動性の低下をさす言葉です。その場合、衝動や自発性を失い、思考過程は遅延し、決断力、表現力、行動力が低下します。)

⑥自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、または他の人より劣っていると思っている。

⑦恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険をおかすこと、または何か新しい活動にとりかかることに、異常なほど引っ込み思案である。

(以上、米国精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』より)

英文の専門用語の翻訳なので少し読みづらいのが難点です。
そこでこれを自己診断用にリライトしたものを次にご紹介します。
このうち自分や周りの人で4項目以上該当すれば、
回避性パーソナリティ障害の可能性が高いといえます。


①断られたり、けなされたりするといやなので、人付き合いの多い仕事には就きたくない。

②自分に好感を持っていない人とは、あまり関わりたくない。

③嫌われたらいけないので、親しい人とも、自分を抑えて付き合う方だ。

④馬鹿にされたり、仲間はずれにされないか、いつも不安である。

⑤人に会ったり、出かける約束を、直前になってキャンセルすることがよくある。

⑥どうせ自分には魅力がないので、あまり人に好かれないと思う。

⑦新しいことをしようとすると、うまくいかないのではと不安になって、実行しないうちに諦めてしまうことがよくある。

(岡田尊司著『パーソナリティ障害』PHP新書より転載させて頂きました)

私たちは回避性パーソナリティ障害とまでは言えなくとも、回避的な傾向を持つことは少なくないでしょう。

特に、うつ状態の時には誰しも回避的な傾向が強まります。

そういう時の自分に対処するためにも、回避性パーソナリティ障害について理解を深めていただくことは役に立つと思います。

<ご案内>
種村トランスパーソナル研究所ではカウンセリングを行っています。
直接お会いする対面カウンセリングとともに、電話カウンセリングやメールによるカウンセリングも行っています。ご相談してみたいと思われるかたは、遠慮なくご連絡ください。
℡090-8051-8198 (メール)tanemura1956@gmail.com
カウンセリングルームは、JR常磐線・我孫子駅(千葉県)南口から徒歩10分にございます。

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

2.見捨てられ不安と愛情飢餓

境界性パーソナリティ障害を持つ人は感情がとても不安定です。

たとえば、片時も離れたくないほどの恋人だったはずなのに、突然鬼のような怖い顔になり怒りまくる。たんなるお友達のはずなのに、夜中まで突き合せておきながら、翌日はがらっと態度が変わり激しく罵倒する、などなど・・・。

こうした極端に不安定な気持ちや言動の元にあるのは「相手に見捨てられるかもしれない」という不安です。しかも、その「不安」は、本人が思いこんでいるだけで、相手にしてみれば全く心当たりがない場合がほとんどです。そのため何を怒っているのか、見当がつきません。

境界性パーソナリティ障害の人は、大変深刻な「見捨てられ不安」をもっているのです。そのために、ささいな…

境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

①感情がコントロールできない

境界性パーソナリティ障害の人も私たちも、もっている感情に違いはありません。ただ違うのは、私たちより「物事を強烈に感じ、より激しい形で反応し、自分自身の感情や行動をうまくコントロールできない」ということです。
境界性パーソナリティ障害の人の怒りは激しく、予測不可能で、筋道を立てて話をしても抑えることができません。大雨の後の鉄砲水や地震や、晴れた日の雷のようなものです。現れるのと同じように、消えるのも突然です。

もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

通常このタイプの人は、怒りだけでなく、あらゆる感情が激しくて、それを抑えるブレーキが壊れているように感じています。それは彼らが痛みに対して、非常に過敏な心を持っているからです。ある専門家はこれを、全身の9割に重度の熱傷(やけど)を受けているような状態だといいます。「感情という皮膚がなく、わずかに触れたり、動いたりするだけでも、彼らは苦痛に悶えるのです」。ですから制御できなくて激しい反応が起きてしまうのです。
この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

②怒りの奥にある生き残り戦略…

境界性パーソナリティ障害2…主な特徴と種類

①極端な気分、感情のブレが特徴

境界性パーソナリティ障害を抱えた子どもやパートナーと一緒に生活すると、次のような経験をすることがあります。
・何のことはないごく些細な言葉で、さっきまで楽しくしていたのが、急に怒りだして手がつけられなくなる。
・少し言い過ぎた言葉、その一言でむきになり、家を飛び出してしまう。時には自殺企図へと走ったりする。
・一言注意されると、もう怒りが爆発して、手が付けられないほど暴れまる。
・冗談で言った言葉にすら、深く傷つき思いつめてふさぎ込む。
・何気ない動作が、愛情の希薄さだと責められて、唖然としてショックを受ける。
子どもやパートナーがこうした反応を繰り返すと、家族はしだいに腫れ物に触るように、顔色を常に窺いながら、機嫌を損ねるのを恐れながら暮らすようになっていきがちです。薄氷を踏むような危うさ――。家族は言いたいことを言えず、常に自分を抑えて暮らします。
こうして家族はその人に支配されているような状態に陥り、息苦しさを感じます。もちろん、ご本人にはそうした意図はありません。ご本人はどうしようもない感情・気分のブレに苦しんでいるのですが、結果的には周囲を支配しているのと変わらない状況が生まれがちです。

境界性パーソナリティ障害は、感情や気分、行動の変化があまりにも激しいという特徴があります。しかも変動の幅が大きすぎ、まったく正反対の方向へぶれたりします。
飛行機の操縦かんを動かし過ぎると、機体は激しく振動し、上下にもブレを繰り返すといいますが、同じことが心の操縦かんで起きているのです。
アメリカで作成された「DSM―Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引き」を見ると、境界性パーソナリティ障害の診断基準として次のような項目があります。

「顕著な気分反応性による感情不安定性」・・・(例)通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い深い気分、いらだたしさ、または不安。
「不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難」・・・(例)しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いの喧嘩を繰り返す。