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境界性パーソナリティ障害を支えるために⑦ 激しい感情の受け止め方



(境界性パーソナリティ障害の人を支える人々に必要な、知っておくべき向き合い方の原則を紹介します。今回ご紹介するのは「激しい感情の受け止め方」です。)

1.激しい感情をどう受け止めるか

境界性パーソナリティ障害の人は激しい感情の中を揺れ動きます。一時的な激しい感情である「情動をコントロールできない」という特徴があるからです。

その激しさを周囲に遠慮なくぶつけてきます。悲しみや怒りや、怖れや不安を露わに表出し、子どものように泣いたり、助けを求めたり、怒りをむき出しにするのです。

本人の情動の波、激しい感情の波に飲み込まれてはいけません。飲み込まれる時は呼吸が浅くなっていますから、まずお腹でしっかりと呼吸をして、心を動揺させず、肚をすえてかかる必要があります。

そして、相手を受容します。

「本人が置かれている状況を考えれば、そんなふうに感じるのは至極もっともで、当然のことだ」と受け入れるのです。

あなたがそう感じるのは、当然だと思う
良くそこまで耐えたね

と、本人のありのままの気持ちを受け入れます。

しかし、そこで終わらせないことも大切です。

いったん相手の今の状態を受け止めたうえで、

それは、とても、つらくて苦しいことだけど、それを乗り切ることが大事なんだよ
どうすればいいか、一緒に考えていこうよ

方向転換を図るのです。

もしかして、それは、~ということなんじゃないかな

と、視点を切りかえて、冷静に客観的に状況を整理してゆくことも必要です。

まずありのままの感情に気づき、それを受け入れて認める。

その上で、その感情が起きた客観的な背景を理解して、感情に冷静に対処する方法を考える。

こうした情動への対処法を学習し、身につけてもらうことが必要です

そのためには、繰り返し繰り返し、冷静に適切に対処する支援者のサポートが必要になります。

2.してはいけない対応

やってはいけない対応には、次のようなものがあります。

・感情に対して感情をぶつける。
 (これは感情への間違った対処法を学習させてしまいます。今まで家庭の中でそれを学んでき可能性が高いといえます。)

・本人の感情をはぐらかしたり、否定する。
 「それは思い過ごしだ」「そんなふうに感じる必要はない」
 (本人は拒絶されたという思いと、それに伴って怒りや失望感を抱きます)

・レッテルを張る。
 「そんなふうに感情的になるのが、病気なのだ。」
 (決めつけられたと思うと、自分を分かってくれないという怒りや失意を感じるでしょう)

・説教する。
 「不満ばかり言ってないで、やってもらっていることに感謝しなさい」
 (自分の気持ちを少しもわかってもらえていないと感じ、反発や怒りを持ちます)

これらはすべて「非受容」の対応です。反発させたり、本音を言わなくさせたり、失望させる対応です。

激しい感情は、まず受け止められて、次に理解されることで沈静化していくのです。

・挑発に乗らない

境界性パーソナリティ障害の人は、支援する人の忍耐を試すような、挑発的な行動をとることがあります。「もういい加減にしなさい!」と怒鳴りたくなるような態度を取るのです。

これは相手を挑発して、いらだたせることを、意識的、無意識的に意図して行動しているのです。本人を心から助けたいと思っている人ほど、こういう態度をとられると、頭にきがちです。

こうした挑発行動の意味は何でしょうか。それを理解することが大切です。医学博士の岡田尊司氏は、これには3つの意味があるといいます。

自分の中の苛立ちを、挑発行動のかたちで表現している。

②相手が挑発に乗って、爆発すれば、一気に苛立ちを放出できる。

つまりネガティブな情動的反応が起きた時に、それを極限にまで暴走させることで解消するという悪い行動パターンを繰り返そうとしている

③支援者の反応を試している。

もし感情的に反応すれば、本人は今までの行動パターンを一層強化してしまう。

ですから、挑発に対しては、これまで述べたことと同様に、冷静に受容的に対応し、本人の従来のパターンに巻き込まれないようにすることが大切です。

<ご案内>
種村トランスパーソナル研究所ではカウンセリングを行っています。
対面のカウンセリング以外にも、電話カウンセリングやメールでのカウンセリングも受け付けています。遠慮なくご利用ください。ご連絡をお待ちしています。
電話09080518198
メールアドレスtanemura1956@gmail.com
カウンセリングルームは千葉県のJR常磐線・我孫子駅南口から徒歩10分の場所にございます。



(参考図書)

『境界性パーソナリティ障害』岡田尊司著 幻冬舎新書

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



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そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
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