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境界性パーソナリティ障害の人を支えるために① 向き合い方の原則



パーソナリティ障害は「関係性の障害」です。

そのため、「自分一人では克服できない」という性質をもっています。

それだけに、支え手の接し方、支え方によって、回復の成否が大きく左右されます。

そこで境界性パーソナリティ障害を持った人の支援者がとるべき姿勢と、逆にとってはならない姿勢について、要点を紹介したいと思います。

同じスタンスで向かい続ける

一番大切なことは「変わらないペースで、変わらない距離を保ちながら、関心を注ぎ続ける」という態度です。

境界性パーソナリティ障害の人は、見捨てられ不安を抱えているために、わずかのことで、「やっぱりこの人も自分を見すてるのだ」とか、「今までの態度はやっぱり見せかけだったんだ」「どうせ最初から重荷に思っていたんだ」と思いこんで、そっぽを向いたり、困らせることをしがちです。

そうした難しい局面が何度あっても、いつも変わらないスタンスで、決して見捨てることなく、向き合い続けることができるかどうかで、勝負が決まってきます。

パーソナリティ障害の人を多く立ち直らせてきた精神科医の岡田尊司氏は、

どんなことがあっても見放さず、とことん付き合い続けるという姿勢が本人に伝わり、得心されるにつれて、本人の中に安心感と信頼感が徐々に回復され、嵐はいつとはなしに収まっていく。この嵐の季節の間、本人を信じ、逃げずに向かい合うことができるかどうかに、回復はかかっている

と断言しています。

強い胆力と「決して見捨てない」という深い愛情と、忍耐づよさが鍵を握っているといえます。
すぐに結果を出そうと意気込み過ぎて、焦るとうまくいきません。
境界性パーソナリティ障害の回復には通常は何年もの時間がかかるからです。

決してやってはならない関わり方は、こうです。

何か問題が起きた当初は熱心に関わり、できもしないから約束をし、ちやほや機嫌を取るのだが、その余韻が薄れてきたり、同じことの繰り返しが続いたりするにつれ、だんだん関心を失い、逃げ腰になってみ捨ててしまう」。

これは「傷口に塩を塗る」行為であり、「やっぱり見捨てられるのだ」という信念を強化してしまい、本人をさらに深く傷つけてしまいます。

境界性パーソナリティ障害を抱えた人は、ほぼ例外なく幼少期に安心感を培われないで育っていると言われています。

安心感、安定感が与えられない環境で育ってきたことが多いのです

ですから、支援する人は、何があっても見捨てないというメッセージを言葉でも態度でも表情でも伝え、常に一定の変わらない姿勢で接することで安心感を与えることが大切になるのです。

<ご案内>
種村トランスパーソナル研究所ではカウンセリングを行っています。
対面のカウンセリング以外にも、電話カウンセリングやメールでのカウンセリングも受け付けています。遠慮なくご利用ください。
(カウンセリングルーム<希望>)
http://tanemura2013.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html

電話09080518198
メールアドレスtanemura1956@gmail.com
カウンセリングルームは千葉県のJR常磐線・我孫子駅南口から徒歩10分の場所にございます。


(参考図書)岡田尊司著『境界性パーソナリティ障害』幻冬舎新書

『境界性人格障害のすべて』ジェロルド・J・クライスマン、ハル・ストラウス共著 VOICE

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境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

①感情がコントロールできない

境界性パーソナリティ障害の人も私たちも、もっている感情に違いはありません。ただ違うのは、私たちより「物事を強烈に感じ、より激しい形で反応し、自分自身の感情や行動をうまくコントロールできない」ということです。
境界性パーソナリティ障害の人の怒りは激しく、予測不可能で、筋道を立てて話をしても抑えることができません。大雨の後の鉄砲水や地震や、晴れた日の雷のようなものです。現れるのと同じように、消えるのも突然です。

もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。 もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

通常このタイプの人は、怒りだけでなく、あらゆる感情が激しくて、それを抑えるブレーキが壊れているように感じています。それは彼らが痛みに対して、非常に過敏な心を持っているからです。ある専門家はこれを、全身の9割に重度の熱傷(やけど)を受けているような状態だといいます。「感情という皮膚がなく、わずかに触れたり、動いたりするだけでも、彼らは苦痛に悶えるのです」。ですから制御できなくて激しい反応が起きてしまうのです。
この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

②怒りの奥にある生き残り戦略…

境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。 リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

2.見捨てられ不安と愛情飢餓

境界性パーソナリティ障害を持つ人は感情がとても不安定です。

たとえば、片時も離れたくないほどの恋人だったはずなのに、突然鬼のような怖い顔になり怒りまくる。たんなるお友達のはずなのに、夜中まで突き合せておきながら、翌日はがらっと態度が変わり激しく罵倒する、などなど・・・。

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境界性パーソナリティ障害の二番目の特徴は、人間関係が不安定で変動が激しいことです。
「理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係」というパターンがあるのです。


理想化」というのは、「最高だ!」「こんな人に出遭えたのは初めて!」と感じて、相手を理想の人だと思いこむことです。


境界性パーソナリティ障害を持つ人は、自分を支えてくれ、愛情飢餓を癒してくれる人を常に求めています。ですから、これはという人物に巡りあえると、急速に相手に対する期待が高まります。そして「この人こそ、自分が求めていた人だ!」その思いが膨らむと、極度に理想化したり、万能な存在であるように思いこみやすいのです。

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さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


もし恋人関係になったとしても、この関係は長続きしません。どこかで相手が支えきれなくなるからです。相手がその人のもつ過大な期待にしり込みしたり、あるいはもう飽き飽きしたという態度を取ると、境界性パーソナリティ障害の人は「見捨てられるのではないかという不安」に捉われます。
そこで必死にしがみつこうとしたり、相手の気を引く行動をとります。

それでもさらに相手が引くそぶりを見せると、激しい失望を感じて、「裏切られた!」と怒りを感じます。そうすると、今度は相手が攻撃の対象になりかねません。


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