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境界性パーソナリティ障害を支えるために⑤ 心の中で拒否していないか



(境界性パーソナリティ障害の人を支える人々に必要な、知っておくべき向き合い方の原則を紹介します。今回ご紹介するのは「心の中で拒否していないか」と「共感」です。)

1.心の中で拒否していないか

通常はパーソナリティ障害の症状は、現実的なつまづきから始まります。これが第一段階です。

しかし、症状がこじれて重くなるのは、そのことが原因で本人に失望した親や周囲の人が見せた対応が引き金となることが多いのです。これが症状の進む第二段階です。

周囲や特に親が自分の失望や心の傷にとらわれていると、本人の心の傷や気持ちを受け止めたり、共感的に理解することができなくなります。同時に本人は自分が拒絶され、見捨てられるのではないかという不安を感じてしまいます。

自分が大切な家族や周囲の人に見捨てられていない、拒否されていないという安心感が戻ると、本人は愛情を確かめるために周囲を試したり、故意に困らせたりする必要がなくなります。

この安心感があると本人は「自分の課題に目を向けていく」エネルギーを取り戻します。
安心感という心の基盤があれば、克服への「スタートラインに立つ」ことができるのです。

そこで、親や周囲の人は、まず本人に対する拒否的な思いを点検する必要があります。

・本人を煩わしく思ってはいないか。

・本人に失望して、本人への信頼を失っていないか。

・「あの子が恐ろしい」という恐怖感がないか。

人の心の中にはアンビバレント(両価的)な相矛盾する気持ちがあります。

もし本人を拒絶する気持ちがあっても、その対極には信頼し愛する気持ちがあります。

ですから拒否的な気持ちをありのままに見つめ、それを信頼できる誰かにすっかり話すと、さらに奥にある受容的な気持ちが湧いてきます。

大切な周囲の人が変わると、本人も変わります。
身近な人の心はつながっています。
親の気持ちの変化が、子どもの気持ちの変化をもたらします。

2.共感

次に大切なのは、共感です。相手のことをあるがままに受け入れて、相手の気持ちを恰も相手であるかのように理解するということです。寄り添うという言い方もよくつかわれます。

共感は、「かわいそうに」という同情ではありません。
共感は、話し手の感情を押さえて、冷静に相手がどんな気持ちを感じているのかを、あるがままに理解しようと努力するのです。

「どんなにつらいか、よくわかります」という言い方は、往々にしてあざけるような反応を招いてしまい、こじれることが多いようです。

あくまでも話し手は相手自身ではないので、本当には「わかる」ということはないと思って、少しでも相手の気持ちに寄り添い、理解しようと努力し続ける姿勢を崩さないことが必要です。

<ご案内>
種村トランスパーソナル研究所ではカウンセリングを行っています。
対面のカウンセリング以外にも、電話カウンセリングやメールでのカウンセリングも受け付けています。遠慮なくご利用ください。ご連絡をお待ちしています。
電話09080518198
メールアドレスtanemura1956@gmail.com
カウンセリングルームは千葉県のJR常磐線・我孫子駅南口から徒歩10分の場所にございます。

(参考図書)
『境界性パーソナリティ障害』岡田尊司著 幻冬舎新書

『境界性人格障害のすべて』ジェロルド・J・クライスマン、ハル・ストラウス共著 VOICE

コメント

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特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
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