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わかりやすい境界性パーソナリティ障害④・・・自分で取り組める対策(1)




 境界性パーソナリティ障害を克服するには、自分の心の内にあるものに向き合って、それを明確な形でとらえることが必要になります。


この障害を持つ人は、「良い自分」と「悪い自分」がばらばらになっているのに、それに気がついていません。あるいは「自分」と「他人」の生き方や感じ方を同じもののように見なしてしまうため、無意識のうちに相手をコントロールしようとします。そして、そのことにも気がついていません。その結果、激しい不安を持ったり、期待通りに相手が動いてくれなくて激怒したりして、苦しみ落ち込んだりします。


こうした苦しみから脱却するためには、まず自分の心の真実に気がつくことが大切です。そこが出発点です。自分の心に向き合い、感情に向き合ってこそ、それをコントロールできるようになるからです。その為のステップを紹介します。
 

1.「大人」と「子供」の二つの自分がいることに気づく

境界性パーソナリティ障害の人の心には、「大人の自分」と「子供の自分」が同居しています。

「子供」の部分は、見捨てられることを極端に恐れたり、愛されたい、すべてを自分の思い通りにしたい」という幼児の心さながらの自分です。


ちょっとしたきっかけで「子供」の部分に心が占領されやすいのが、境界性パーソナリティ障害の人の特徴です。だから感情のコントロールが難しくなるのです。


まずこの二つの自分がいるという真実に気がついて、両方とも自分であると受け入れること。そこから心の回復が始まります。


あなたのなかの「子供の自分」は、次のように叫んでいませんか?


「抱きしめてほしい」


「自分と同じ道を歩んでほしい」


「もっと愛情を注いでほしい」


「見捨てられたくない」


「すべて思い通りにしたい」


「ちやほやされたい」

それに対して「大人の自分」は、次のような思いや特徴を持っています。


「こんなことで見捨てられないということを知っている。」


「我慢できる」


「自分とまわりは違うことを理解している」


どちらも自分であることを認めたうえで、「大人の自分」にもっと耳を傾け、「大人の自分」を育てていきましょう。


2.問題行動を振り返り自分の行動パターンを知る

まず自分の感情の波の「パターン」を知る必要があります。そこで自分がしてしまった問題行動(行動化)を振り返ります。そのためには、問題行動がいつ起きたかを書きます。

①問題行動が起きた時は、いつですか?


(例)「201533日深夜」


発生した日時を記録することで、どのくらいのサイクルで起きてくるのか、どの時間帯に置きやすいのかを把握します。

②何がきっかけになりましたか?


(例)夜中に急に寂しくなって夫に話しかけたが、かまってくれなかった。


恋人、家族、友人・・・誰のどんな言葉や態度がきっかけになることが多いのかを知ります。

③感情がどう移り変わりましたか?


(例)さみしい→怒り


感情の移り変わりをとらえましょう。

④よくやる行動パターンはなんですか?


(例)「行動・・・夜中にお酒をがぶ飲みした」「睡眠薬を大量に飲んだ」「怒って物を投げつけた」、このほかリストカットや大量服薬、家具の破壊、過食など、どういう行動化が現れるかを把握します。

⑤行動した結果、あなたはどうなりましたか?


(例)「その後、救急車に運ばれ、気がついてから自己嫌悪で落ち込んだ」「その後、吐き気がして、よけい惨めになり、最悪な気分、すべてが虚しい」


行動した結果、どんな気持ちになったかまで振り返ります。

⑥自分に問いかける「それで問題は解決したのかな?」


行動化は一時的に気分を紛らわせてくれますが、そのあとに後悔や、罪悪感、自己嫌悪など、いやな感情が残ったり、よけいに不安や雑某が強くなったりします。一つ一つの事例で「行動化しても問題は解決しない。」ということを、はっきりと認識します。

以上二つの方法をご紹介しました。

これはいずれも自分の感情や気分、思考をコントロールできるようになるための、とても大切な最初のステップです。心をコントロールするには、まず心に浮かんでくる感情や気分、思考といったものをきちんと見つめて気づいていることがとても大切です。

それによって感情に振り回されてしまわない自分を創っていきましょう。

最初の一歩は、カウンセラーの支えがあると歩み出しやすいと思います。

助けが必要だと思ったら、専門家の支援を求めることをためらわないでください。


対策(2)に続く。

 http://tanemura2013.blogspot.jp/2015/04/2.html


(参考図書)市橋秀夫監修『境界性パーソナリティ障害は治せる!正しい理解と治療法』大和出版

<ご案内>
種村トランスパーソナル研究所ではカウンセリングを行っています。
直接お会いする対面カウンセリングとともに、電話カウンセリングやメールによるカウンセリングも行っています。相談してみたいと思われるかたは、お気軽にご連絡ください。
初回30分までの電話相談は無料です。
℡: 090-8051-8198 
メール: tanemura1956@gmail.com


カウンセリングルームは、JR常磐線・我孫子駅(千葉県)南口から徒歩10分にございます。

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

2.見捨てられ不安と愛情飢餓

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境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

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境界性パーソナリティ障害の人も私たちも、もっている感情に違いはありません。ただ違うのは、私たちより「物事を強烈に感じ、より激しい形で反応し、自分自身の感情や行動をうまくコントロールできない」ということです。
境界性パーソナリティ障害の人の怒りは激しく、予測不可能で、筋道を立てて話をしても抑えることができません。大雨の後の鉄砲水や地震や、晴れた日の雷のようなものです。現れるのと同じように、消えるのも突然です。

もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

通常このタイプの人は、怒りだけでなく、あらゆる感情が激しくて、それを抑えるブレーキが壊れているように感じています。それは彼らが痛みに対して、非常に過敏な心を持っているからです。ある専門家はこれを、全身の9割に重度の熱傷(やけど)を受けているような状態だといいます。「感情という皮膚がなく、わずかに触れたり、動いたりするだけでも、彼らは苦痛に悶えるのです」。ですから制御できなくて激しい反応が起きてしまうのです。
この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

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境界性パーソナリティ障害2…主な特徴と種類

①極端な気分、感情のブレが特徴

境界性パーソナリティ障害を抱えた子どもやパートナーと一緒に生活すると、次のような経験をすることがあります。
・何のことはないごく些細な言葉で、さっきまで楽しくしていたのが、急に怒りだして手がつけられなくなる。
・少し言い過ぎた言葉、その一言でむきになり、家を飛び出してしまう。時には自殺企図へと走ったりする。
・一言注意されると、もう怒りが爆発して、手が付けられないほど暴れまる。
・冗談で言った言葉にすら、深く傷つき思いつめてふさぎ込む。
・何気ない動作が、愛情の希薄さだと責められて、唖然としてショックを受ける。
子どもやパートナーがこうした反応を繰り返すと、家族はしだいに腫れ物に触るように、顔色を常に窺いながら、機嫌を損ねるのを恐れながら暮らすようになっていきがちです。薄氷を踏むような危うさ――。家族は言いたいことを言えず、常に自分を抑えて暮らします。
こうして家族はその人に支配されているような状態に陥り、息苦しさを感じます。もちろん、ご本人にはそうした意図はありません。ご本人はどうしようもない感情・気分のブレに苦しんでいるのですが、結果的には周囲を支配しているのと変わらない状況が生まれがちです。

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飛行機の操縦かんを動かし過ぎると、機体は激しく振動し、上下にもブレを繰り返すといいますが、同じことが心の操縦かんで起きているのです。
アメリカで作成された「DSM―Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引き」を見ると、境界性パーソナリティ障害の診断基準として次のような項目があります。

「顕著な気分反応性による感情不安定性」・・・(例)通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い深い気分、いらだたしさ、または不安。
「不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難」・・・(例)しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いの喧嘩を繰り返す。