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わかりやすい境界性パーソナリティ障害③・・・極端に走る行動化



境界性パーソナリティ障害では、根底にある感情は見捨てられることへの極度の不安感情です。

また見捨てられるのではないか」という不安、居ても立っても居られない不安感。それはよるべのない不安なのですが、そうした不安感にさいなまれます。

それとともに、うつ、孤立無援感、自暴自棄、憤怒、絶望、空虚感などのネガティブな感情が吹き出してきます。これらは通常ではコントロールが出来ないほどの激しい感情です。

その激しい感情につき動かされ、驚くような行動に走ります

これを行動化といいます。行動化は「崩れ落ちそうな自分の心を、何とか支えるために逃げ道」であり、「あまりの不安でじっとしていられず」行うものです。

代表的な行動化は、8つあります。



①対人操作と見られがちな行動


「周囲を自分の思い通りに動かそうとしている」かのようにみられる行動をとります。

根底には「私以外の人と仲良くしている。見捨てられるかもしれない」「かまってほしい」「自分の思い通りに動いてほしい」などの切迫した気持ちが働いています。

境界性パーソナリティ障害の人は、人の微妙な心の動きには過剰なほど敏感です。そして、心に入り込むタイミングを掴む感度は抜群です。

自分にかまってほしい気持ち。それがあふれるほどあるため、「あなたにだけ」「ここだけ」を多用します。これは依存のための対人操作とみなされがちなのです。

逆に攻撃のために対人操作とみなされがちな行動もあります。見捨てられたと思いこんで恨むと、根も葉もない嘘をついて、その人の悪口を言いふらしたりします。

もっとも、これらは意図的に相手を陥れることを企むというより、あまりの心の苦しみからそうせざるを得ないのです。そうとらえるべきだと思います。



②自傷・自殺企図


行動化の代表とも言えるリストカットなどの自傷行為や、大量の服薬による自殺など、周囲を大騒ぎさせる行動をとります。

動機には、「苦しみから解放されたい」、「流れ出る血を見ることで生きている感覚を取り戻したい」、「自分が苦しんでいることを伝えたい」、「勇敢さや忍耐力をアピールしたい」、「もっと自分のことを心配してほしい」、「生きていたくない」という気持ちなどがあります。

境界性パーソナリティ障害の人は自殺率が810%と高いため、特に注意が必要です。



③性的逸脱


女性に多く見られますが、寂しくて不安で仕方がないので、少しでも自分に優しくしてくれる人には心も体も許してしまいます。低すぎる自己評価のために、ついつい自分を安売りしてしまいます。

「誰でもいいからだいてほしい」というのは、子供の頃に母親に抱かれる感覚を思いだし、一時的な安心感を求めていると思われます。十代の女性の妊娠の背景には、そうした心理が少なくないと思われます。



④依存


「この人はかまってくれる」と判断した相手には、徹底的に依存して独占しようとします。

理想化して「この人こそ私が求めていた人だ」と思いこむと、「ずっと一緒にいたい」「頼りきりたい」「かまってほしい」という「欲求」が噴き出します。



⑤攻撃


それまで全幅に信頼を置いていた人でも、少しでも自分の意に沿わない言動があると、「この人は私を見捨てた」「許せない、最低だ」「みんなに言い触らしてやる」と、手のひらを返したように攻撃し、根も葉もないうわさを流したりします。

白か黒か、理想の人か最悪の裏切者か、のどちらかの受け取り方しかできず、中間であるグレー(たとえば両面を持った普通の人ととらえること)がないのです。これを二分的思考法といいますが、境界性パーソナリティ障害の人やうつ病の人にも多く見られる認知の特徴です。



⑥衝動的行動


些細なきっかけでストレスが限界を超えると、その気持ちを紛らわせようとして、過食、大量飲酒、大量の買い物、ギャンブル、大量服薬など、衝動的な行動にでます。その結果、生活に支障をきたします。

耐えられないと思う「ストレスの値」が低い。つまりストレスへの耐性が低いのが特徴です。



⑦暴力


思い通りにならないと、怒りが抑えられず、暴力として噴き出す場合があります。いったん爆破してしまうとコントロールが効きません。

多くの場合母親に暴力をふるいます。最も愛してほしい人に、力ずくで言うことを聞かせようとするのです。幼児的な反応といえます。



⑧解離


リストカットをしたり暴力をふるっている間の記憶が抜け落ちていることがあります。これは解離によるものです。

心に大きな負担がかかると、それに心が耐え切れず、一瞬だけ意識が飛んでしまうのです。その間はのりうつりによる支配も受けていたりすることがあるため、その間の記憶がなく、血や壊れた家具などを見て愕然とすることもあります。



以上のような行動化の特徴がいくつも見られると、その人は境界性パーソナリティ障害である可能性がきわめて高いといえます。


対策については次のページをご覧ください。
http://tanemura2013.blogspot.jp/2015/04/blog-post.html

(参考図書)市橋秀夫監修『境界性パーソナリティ障害は治せる!正しい理解と治療法』大和出版


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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



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そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
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このタイプの人は、心の深いところで母親や父親の代理を相手に求めています。ですからその欲求を満たしてくれる人に出会うと、どんどん依存を深めていきます。

さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


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そこで必死にしがみつこうとしたり、相手の気を引く行動をとります。

それでもさらに相手が引くそぶりを見せると、激しい失望を感じて、「裏切られた!」と怒りを感じます。そうすると、今度は相手が攻撃の対象になりかねません。


些細なきっかけで、その人の何らかの要求が満たされないと、評価が180度逆転して、罵詈雑言を浴びせることもありがちです。そして「最低!」「信じて損した」「私の時間を返してよ」という具合に、激しい言葉を浴びせるのです。言葉だけでなく、行為で迷惑をかけることもあり、相手は翻弄されていくことになります。
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