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わかりやすい境界性パーソナリティ障害①…代表的なパターン



パーソナリティ障害というのは、外からの刺激に対するその人の反応に病的な部分があることです。外界からの刺激とは、たとえば人の言葉であったり行動であったりします。それに対して見捨てられる」「拒否される」という不安がこみあげてきて過剰に反応するのが、境界性パーソナリティ障害です。


例えばある職場の女性が、「誰々さんと今度旅行に行くわ」と嬉しそうにいうと、パーソナリティが健康な人は「良かったね。楽しんでおいでよ」と言ったりするでしょう。ところが境界性パーソナリティ障害の人は、「私は仲間外れにされて見捨てられてしまう」という不安がよぎるため、「〇〇さんは気をつけたほうがいいよ」と言って、それを邪魔しようとします。強い見捨てられ不安が心の奥に存在するために、病んだ反応をしてしまうのです。


境界性パーソナリティ障害の代表的な6つのパターンを紹介します。
 

①リストカットを繰り返す


リストカットを繰り返す人は、「自分なんかどうでもいい」という自暴自棄の感情にとらわれています。「このまま生きていても仕方がない」と思うと、自分を傷つける自傷・自殺企図が始まります。

親や恋人はその自傷行為を見つけると慌てふためいて心配します。すると本人は「かまってもらえる」という安心感を感じて落ち着きます。

しかし、リストカットなどの自傷行為が重なると、「またか」と周囲が思うため、それほど心配されなくなります。すると「だれも私を構ってくれない」という空虚感(心がからっぽという感覚)に襲われ、さらに深刻な自傷・自殺企図を行います。本当に死んでしまうことがあるので、注意してあげてください。


②悪口を言いふらして人間関係を破壊する


だれかと親しくなるとベッタリと依存します。

ところが、別の人と楽しそうに話していたなど、周囲が驚くほどささいなことをきっかけに「見捨てられた」と強烈に感じます。

「私とだけ仲良くしてほしい」と思うので、相手の悪口を吹き込んで間を裂こうとします。自分の思い通りに相手をコントロールしようとする対人操作が始まるのです。

しかし、そうしたことが積み重なると、次第に人間関係が破壊されるので仲間内から疎んじられるようになり、その共同体には居られなくなります。こうして「見捨てられ不安」が強化されます。

こうして見捨てられ不安を現実化して自己確認してしまうような行動を、自らとってしまいがちです。決してそれが好きでそうしているのではなく、どうしようもない不安に突き動かされた結果、そうなってしまうのです。


③ベッタリ依存してお互いにボロボロになる


若い女性の多いのは、恋人に対して強い依存をすることです。

しかし、ある時別の女性とメールしていたことを知るや、「あんなに大好きだったのに、どうして?」と周囲が驚くほど、急激に相手を憎んで攻撃を始めます。

「絶対に許せない」と相手の釈明を一切受け付けず、やけ食いしたり、衝動買いしたりして、最後には大量に睡眠薬を飲んで自殺をはかったりします。

実際には未遂で終わることが多いのですが、自殺をほのめかすようなメールをもらったりすると、周囲はそのたびに振り回されてくたくたになり、やがて支援する側がボロボロになります。

過食、衝動買い、薬物多用などの衝動的行為は、境界性パーソナリティ障害の特徴です。
 

④寂しさにおそわれて、何人もの男性と寝る


「寂しくて、寂しくて死にそう」というよるべのない不安におそわれます。

寂しさや不安がおき、そこに急激に性欲が高まってくるのを感じると、何人もの異性と寝るなどの性的逸脱に走ります。抱かれている時だけは、不安が和らぎ抑うつからも解放された感覚を持つのですが、それは一時のことです。

冷静になった時には、「なぜあんなことをしたんだろう。恥ずかしい」と感じ、強い抑うつに襲われ、自分自身を強く責めます。


⑤親への怒りから、親に暴力をふるう


境界性パーソナリティ障害の人は「子供の頃に親から見捨てられた」と感じている場合が多くあります。

実際に親が離婚したり、別の人に引き取られたりという場合も少なくありません。

大きくなって「友達ができない」「就職もうまくいかない」などと、ひきこもって悶々と一人で考えていると、「これはすべて親のせいだ」という怒りがふつふつと湧いてきます。どうしようもない怒りがこみあげてくる憤怒の感情です。怒りが爆発すると親に暴力をふるいます。自分でも制御ができなくなります。

感情の嵐の後、自分がしたことの記憶がすっぽりと抜け落ちていることがあります。これを解離(この場合は特に解離性健忘)といいます。解離は境界性パーソナリティ障害にしばしば見られる症状です。


⑥医者やカウンセラーに不信を抱いて激怒する


カウンセラーや医療関係者とのトラブルが起きやすいのも特徴です。

クライエントを全面的に保護しようとする医者やカウンセラーには、強く依存します。

最初のうちはものすごく信頼を寄せてくるのですが、メールの返信が来ない、電話が通じない、などといった些細なことで不信感を持ち、「見捨てられた」と感じると、強い絶望感を抱きます。

「ひどい、私のことを見捨てるのですね!」「本当は私のことを大事に思っていなかったのですね!」「先生は人間として最低です!」などと憤怒の感情に支配され、周囲が驚くほど激しく怒り、非難するようになります。

医者の場合、主治医は攻撃に対象になり、病院でも悪口を言いふらされて対人操作が始まるので、結局治療が中断します。心理カウンセリングの場合は、カウンセリングルームに来なくなります。



以上、代表的なパターンを6つ紹介しましたが、これらはいずれも「見捨てられることに対する不安」が根底にあって引き起こされていました。

見捨てられ不安が増大すると、それに伴って寂しさや怒り・憤怒などといったネガティブな感情が膨れ上がります。そこから、悪口や自傷・自殺企図や衝動的行為や暴力といった自他を傷つける行動化が起きます。

結果として、ますます孤立してしまい「生きずらさ」が拡大します。これが境界性パーソナリティ障害の特有のパターンなのです。こうしたサイクルにはまって抜け出せなっている方は、是非ご相談ください。


この次はこちらに続きます。

http://tanemura2013.blogspot.jp/2015/03/7.html

(参考書籍)


市橋秀夫監修『境界性パーソナリティ障害は治せる! 正しい理解と治療法』大和出版

市橋秀夫監修『パーソナリティ障害(人格障害)のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)』講談社


<ご案内>
種村トランスパーソナル研究所ではカウンセリングを行っています。
直接お会いする対面カウンセリングとともに、電話カウンセリングやメールによるカウンセリングも行っています。相談してみたいと思われるかたは、お気軽にご連絡ください。
(カウンセリングルーム<希望>)
http://tanemura2013.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html

初回30分までの電話相談は無料です。
℡: 090-8051-8198 
メール: tanemura1956@gmail.com
カウンセリングルームは、JR常磐線・我孫子駅(千葉県)南口から徒歩10分にございます。

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。 リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

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境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

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境界性パーソナリティ障害の人の怒りは激しく、予測不可能で、筋道を立てて話をしても抑えることができません。大雨の後の鉄砲水や地震や、晴れた日の雷のようなものです。現れるのと同じように、消えるのも突然です。

もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。 もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

通常このタイプの人は、怒りだけでなく、あらゆる感情が激しくて、それを抑えるブレーキが壊れているように感じています。それは彼らが痛みに対して、非常に過敏な心を持っているからです。ある専門家はこれを、全身の9割に重度の熱傷(やけど)を受けているような状態だといいます。「感情という皮膚がなく、わずかに触れたり、動いたりするだけでも、彼らは苦痛に悶えるのです」。ですから制御できなくて激しい反応が起きてしまうのです。
この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

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境界性パーソナリティ障害の二番目の特徴は、人間関係が不安定で変動が激しいことです。
「理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係」というパターンがあるのです。


「理想化」というのは、「最高だ!」「こんな人に出遭えたのは初めて!」と感じて、相手を理想の人だと思いこむことです。


境界性パーソナリティ障害を持つ人は、自分を支えてくれ、愛情飢餓を癒してくれる人を常に求めています。ですから、これはという人物に巡りあえると、急速に相手に対する期待が高まります。そして「この人こそ、自分が求めていた人だ!」その思いが膨らむと、極度に理想化したり、万能な存在であるように思いこみやすいのです。

このタイプの人は、心の深いところで母親や父親の代理を相手に求めています。ですからその欲求を満たしてくれる人に出会うと、どんどん依存を深めていきます。

さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


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そこで必死にしがみつこうとしたり、相手の気を引く行動をとります。

それでもさらに相手が引くそぶりを見せると、激しい失望を感じて、「裏切られた!」と怒りを感じます。そうすると、今度は相手が攻撃の対象になりかねません。


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