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境界性パーソナリティ障害12…その他の特徴①




 アメリカのDMS-Ⅳ」の診断基準には書かれていませんが、境界性パーソナリティ障害にはそれ以外にもいくつかの重要な特徴が見られることがあります。次にそのいくつかを紹介します。



①「有害な恥」の感覚



有害な恥というのは、自分は人間として欠点だらけである」という感覚です。これは自分の存在そのものに対するネガティブな感覚です。

この有害な恥の感覚は、本人に無価値感、孤独感、空虚感、完全な孤独感をもたらします。


この有害な恥を感じて羞恥心を強く持つ人は、自分の内面をさらけ出すことができません。人に対してはもちろんですが、自分自身に対しても自分をさらけ出そうとしないのです。正確には、「できない」と言ったほうがいいでしょう。それに向き合いことが、あまりにも苦痛だからです。そのために、吐き出して軽くなることや対決することができず、問題がいつまでも残ります。


この有害な恥の感覚は、境界性パーソナリティ障害の人の、怒りや粗(あら)さがしや非難、その逆に「過度に人を喜ばそうとする行動」、自傷行為、摂食障害などの根底にあるものです。自己否定感と一口に言っても、この場合は、自分の存在そのものを恥じているので、深刻です。


つまりカウンセリングで吐き出そうとしても、吐き出すことに有害な恥の感情が伴うので、カウンセリングが中断しがちです。

あらゆる過ちも、いかなる欠陥も、その人の存在を無価値にすることはありえないという絶対的な確信を、カウンセラーや近くにいる人が意識的に持っていることが好ましいといえます。そして、その人の価値を認めるような言葉を常にかけてあげることが必要です。

有害な恥の感覚を乗り越えて、カウンセラーにこれを話しても自分をダメ人間だとは思われないという信頼ができた時、癒しが始まります。



②境界がはっきりしない



境界性パーソナリティ障害の人は、自分と他者との間の境界がはっきりしません。

境界が明確でないと、周りの意見や感情に完全に巻き込まれてしまうか、それとも完全な孤立か、そのどちらかしかありません。親の意見がまるで自分の意見であるかのように思いこみコントロールされていたり、自分が感じることを人も感じるのが当然であると見なして人に同じ感覚をもつことを要求するのは、境界がはっきりしないことから来る弊害です。


本来なら人と人との境界は、各自が独立した人格として尊重し合うために不可欠のものです。


ところが「完全に密接な関係に境界はない」というものだと思いこんで育った人には、境界は「人と人の間の裂け目」を意味してしまいます。境界があるということが、孤独で孤立することを意味してしまうのです。自己同一性(アイデンティティ)を持つことが孤立を意味するのであれば、その人は怖くて自己同一性を持てなくなるでしょう。


しかし、本当は、自己同一性を確立してこそ、お互い独立した人格として尊重したうえでの親密な関係が結べます。境界があいまいであるということは、自己同一性の確立ができない、要するに自己確立できず、真の意味で責任を伴った親密な関係が築けないことになります。その意味で精神的な未成熟さを伴うのです。


境界がはっきりするということは、相手が自分とは違う独立した個性を持った人格であることを認めることです。親子の間でも、そうした距離感は必要です。それがないと、母親に心理的に飲み込まれて、いつまでも精神的に自立できない子供になってしまいます。


境界性パーソナリティ障害13に続く。

http://tanemura2013.blogspot.jp/2015/02/13.html

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。 リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
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境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

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このタイプの人は、心の深いところで母親や父親の代理を相手に求めています。ですからその欲求を満たしてくれる人に出会うと、どんどん依存を深めていきます。

さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


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