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境界性パーソナリティ障害2…主な特徴と種類



①極端な気分、感情のブレが特徴

 

境界性パーソナリティ障害を抱えた子どもやパートナーと一緒に生活すると、次のような経験をすることがあります。

 
・何のことはないごく些細な言葉で、さっきまで楽しくしていたのが、急に怒りだして手がつけられなくなる。

・少し言い過ぎた言葉、その一言でむきになり、家を飛び出してしまう。時には自殺企図へと走ったりする。

・一言注意されると、もう怒りが爆発して、手が付けられないほど暴れまる。

・冗談で言った言葉にすら、深く傷つき思いつめてふさぎ込む。

・何気ない動作が、愛情の希薄さだと責められて、唖然としてショックを受ける。

 
子どもやパートナーがこうした反応を繰り返すと、家族はしだいに腫れ物に触るように、顔色を常に窺いながら、機嫌を損ねるのを恐れながら暮らすようになっていきがちです。薄氷を踏むような危うさ――。家族は言いたいことを言えず、常に自分を抑えて暮らします。

こうして家族はその人に支配されているような状態に陥り、息苦しさを感じます。もちろん、ご本人にはそうした意図はありません。ご本人はどうしようもない感情・気分のブレに苦しんでいるのですが、結果的には周囲を支配しているのと変わらない状況が生まれがちです。
 

境界性パーソナリティ障害は、感情や気分、行動の変化があまりにも激しいという特徴があります。しかも変動の幅が大きすぎ、まったく正反対の方向へぶれたりします。

飛行機の操縦かんを動かし過ぎると、機体は激しく振動し、上下にもブレを繰り返すといいますが、同じことが心の操縦かんで起きているのです。

 
アメリカで作成された「DSM―Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引き」を見ると、境界性パーソナリティ障害の診断基準として次のような項目があります。

「顕著な気分反応性による感情不安定性」・・・(例)通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い深い気分、いらだたしさ、または不安。

「不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難」・・・(例)しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いの喧嘩を繰り返す。

これを見ると、家族や知人に該当する人がいる、心当たりがあるという人がいるのではないかと思います。

 

②過敏な心の感性

 
私がお会いした方で見ると、ほとんどの場合は極めて直観力に優れていて、神経が細かく、傷つきやすく、人の言葉や思いの影響をダイレクトに感じてしまう、心の過敏な働きを持ち方が多いように思います。一種の霊感のようなものを持つ方も多く、家族や先祖にそうした敏感な心の感性を持った方がいることも少なくありません。

また、生い立ちの過程などで深刻なトラウマ経験をされている方も多く、心の闇を長く見つめて苦しんできた方もいます。解離性の同一性人格障害を持つ人もいます。

そうした人の特徴は、通常の人よりもはるかに潜在意識を感じやすく、心が過敏な働きを持っておられるということです。それは正しく育てれば大変高い共感能力や高度な思いやり能力になるのですが、傷ついたり誤解されたままだと、人間関係がうまくいかず、人に理解されない不遇な暗い人生を送ることが少なくありません。

 
境界性パーソナリティ障害は、症状だけを見ると不安定で苦しみの多い、扱いにくい障害です。しかし、その障害の裏腹にある心の過敏さ、潜在意識と同通しやすい能力は、うまく育てると非常に高度な心の能力となり、人が感じ取れないことまで感じ取り、深く共感的に理解し洞察できて、人の心を癒す力にもなりえます。

 

③発症の時期をみる

 
境界性パーソナリティ障害は、発症時期によって大きく3つに分けられています。

1)思春期発症タイプ・・・十代の前半(小学生中学年から中学生)に発症する

2)青年期発症タイプ・・・十代後半で始まる

3)成人期発症タイプ・・・二十歳以降に発症する

 
このうち早期に発症するタイプになればなるほど、生育過程で複雑かつ深刻な事情を抱えていることが多いといえます。親の離婚、貧困、虐待、育児放棄、性的虐待など、深刻な問題を抱えた子供時代を送っていることも少なくありません。

遅い時期に発症した人には、「良い子」「頑張り屋さん」として親からも信頼が厚かった子供時代を送った人が多くいらっしゃいます。そういう方の家庭は平均的な恵まれた家庭であることも多いのですが、幼いころから本当の自分を出せなくて抑えてきた人が多いようです。つまり「親の価値観」に支配されすぎて育っているのです。

早期に症状が始まったものほど、回復には時間がかかると言われていますが、数年で回復する方も少なくありません。適切な支援を受ければ、必ずよくなるということです。そしてその苦しい期間を耐え忍ぶことで、心が成長し人格の成熟が見られるようになるのです。

境界性パーソナリティ障害3に続きます。
http://tanemura2013.blogspot.jp/2014/12/blog-post_90.html

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。 リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

2.見捨てられ不安と愛情飢餓

境界性パーソナリティ障害を持つ人は感情がとても不安定です。

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こうした極端に不安定な気持ちや言動の元にあるのは「相手に見捨てられるかもしれない」という不安です。しかも、その「不安」は、本人が思いこんでいるだけで、相手にしてみれば全く心当たりがない場合がほとんどです。そのため何を怒っているのか、見当がつきません。

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境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

①感情がコントロールできない

境界性パーソナリティ障害の人も私たちも、もっている感情に違いはありません。ただ違うのは、私たちより「物事を強烈に感じ、より激しい形で反応し、自分自身の感情や行動をうまくコントロールできない」ということです。
境界性パーソナリティ障害の人の怒りは激しく、予測不可能で、筋道を立てて話をしても抑えることができません。大雨の後の鉄砲水や地震や、晴れた日の雷のようなものです。現れるのと同じように、消えるのも突然です。

もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。 もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

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この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

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境界性パーソナリティ障害の二番目の特徴は、人間関係が不安定で変動が激しいことです。
「理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係」というパターンがあるのです。


理想化」というのは、「最高だ!」「こんな人に出遭えたのは初めて!」と感じて、相手を理想の人だと思いこむことです。


境界性パーソナリティ障害を持つ人は、自分を支えてくれ、愛情飢餓を癒してくれる人を常に求めています。ですから、これはという人物に巡りあえると、急速に相手に対する期待が高まります。そして「この人こそ、自分が求めていた人だ!」その思いが膨らむと、極度に理想化したり、万能な存在であるように思いこみやすいのです。

このタイプの人は、心の深いところで母親や父親の代理を相手に求めています。ですからその欲求を満たしてくれる人に出会うと、どんどん依存を深めていきます。

さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


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そこで必死にしがみつこうとしたり、相手の気を引く行動をとります。

それでもさらに相手が引くそぶりを見せると、激しい失望を感じて、「裏切られた!」と怒りを感じます。そうすると、今度は相手が攻撃の対象になりかねません。


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