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(投稿)怒りの対処法 ③



暴力抗争に見る怒り

映画やドラマで、よくある光景です。

とある暴力団事務所での出来事。抗争の最中に、他の組の攻撃を受け、下っ端の組員が事務所に命からがら逃げ込んできます。
「仲間の○○が撃たれた。俺たちの場所も○○組にとられちまいそうだ。」
それを聞いた、他の組員がいきり立つ。
「ちくしょう、許せねえ!仕返しに、今から乗り込んで、奴らを血祭りにあげてやらあ!」
怒りに湧く組員を見ながら、ボスは静かに語りはじめる。
「まあ、そんなにいきり立つな。しかし、○○組もやりやがるな。なめたマネをしやがって。まあいい、おつりはたっぷり返してやる。」
ボスはそう言いながら、薄笑いを浮かべる。そして、しばらく考えた後、組員達に静かに指示を出す・・・。

そんな抗争を繰り返すうち、いよいよ警察が動きだし、ボスを含めた組事務所が追い詰められる。
そんな中、追い詰められた恐怖と不安で、いたたまれなくなる組員達。警察と差し違えようとする輩も出る始末。しかし、ボスは慌てずに語る。
「じたばたするな!」
不安にあえぐ組員を尻目に、ボスは終始堂々としていた。

ある時、ボスに命の危機が迫る。同じ組員の中に、別の組のスパイが紛れ込んでいた。ボスとその組員と二人になったタイミングを見計らって、彼はボスに拳銃を突きつけた。ボスは自分に突きつけられた拳銃を見て、静かに語った。
「おまえは、○○組の奴か。気付かなかった俺も、人を見る目がなかったということか。俺の目も落ちたものだ・・・。」
丸腰であったボスは、そう言って静かに目を閉じた。ボスは拳銃に撃たれ、そのまま息を引き取った。

怒りと不動心


このような仁義(?)を題材にした番組を時折見かけます。ここの登場するボスは決して善人ではないのですが、どのような場面にも心を乱さず、懐の深さを感じさせます。今までいろいろな修羅場を駆け抜けた故に、少々のことでは動じない、ある意味での不動心を体得したと思われます。

目の前に起きている現象にとらわれて、ジタバタするのは決まって下っ端です。彼らはいつ襲いかかるかわからない身の危険にさらされながら生きています。不安と恐怖にさいなまれながら生きているので、心が不安定で、少々のことで怒り出します。いわゆる「自己防衛」の塊となっています。

ボスの心境といえば、怒りの感情がないはずはないのですが、ある意味で、目の前の現実を受け入れている感があります。それは決して「あきらめ」ではく、感情に左右されずに、全体の状況を冷静に見ながら、次なる一手を考える。そうした心の余裕さえ感じられます。
 

自己防衛本能を超えるもの
 

怒りは冷静さを失わせ、理性を麻痺させます。そのため怒りに支配されると、冷静な判断ができなくなります。危機の中において冷静さを保つためには、現状を「受け入れる」ということ。それは決して妥協という意味ではなく、大局を見ながら次なる手を打つために必要、ということがいえるのではないでしょうか。

付け加えて言うならば、万事休すの事態にさらされたときも、冷静さを保つということは、常人にはできないことです。そのためには、ある意味での「覚悟」を決めておくことです。よく言われるところの「一日一生」「いつ死んでも良いように悔いなく生きる」ということであろうかと思います。

 
これらの境地は、武将の心境に近いものであると思います。常に死と背中合わせの生き方をしていれば、多少のことでは動じない心の強さが得られるとは思います。ここに出てくるボスや武将には共通する点が多くあります。さすがに彼らのような生き方をしろと言われても、現在の私達には相当難しいものがありますが、こうした生き方の中に、参考にできることが多々あると感じます。

まずは、目の前に何か自分に危害を及ぼすもの(物理的なものであれ精神的な者であれ)を認識したときに、それに対して「自己防衛本能」的に怒るではなく、「受け入れる」こと。それは「妥協」を意味するものではなく、より広い視点から見て、さらに一手を打つこと。そうしたことが大切ではないかと思います。

怒りが爆発しそうな場面に出会したときに、自分が懐の深い組長もしくは武将になったつもりになって、事実を受け止めて、次なる一手を考えて見る。彼らの論理では「倍返し」のための一手になってしまいますが、事実を受け止め、自分にとって最も有効な対策を講じる手を打つという意味で、こうした手法も大変有効であると思います。

まずは、「受け止める」訓練、それも怒りを抑圧しないで行うこと、こうしたことを重ねることで、物事に動じない心の鍛錬ができるのではないでしょうか。怒りの対処法として大変有効であると思います。 (大)

<連絡先>
種村トランスパーソナル研究所
所長兼心理カウンセラー 種村修
電話090-8051-8198
メールアドレス:tanemura1956@gmail.com

 

コメント

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

2.見捨てられ不安と愛情飢餓

境界性パーソナリティ障害を持つ人は感情がとても不安定です。

たとえば、片時も離れたくないほどの恋人だったはずなのに、突然鬼のような怖い顔になり怒りまくる。たんなるお友達のはずなのに、夜中まで突き合せておきながら、翌日はがらっと態度が変わり激しく罵倒する、などなど・・・。

こうした極端に不安定な気持ちや言動の元にあるのは「相手に見捨てられるかもしれない」という不安です。しかも、その「不安」は、本人が思いこんでいるだけで、相手にしてみれば全く心当たりがない場合がほとんどです。そのため何を怒っているのか、見当がつきません。

境界性パーソナリティ障害の人は、大変深刻な「見捨てられ不安」をもっているのです。そのために、ささいな…

境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

①感情がコントロールできない

境界性パーソナリティ障害の人も私たちも、もっている感情に違いはありません。ただ違うのは、私たちより「物事を強烈に感じ、より激しい形で反応し、自分自身の感情や行動をうまくコントロールできない」ということです。
境界性パーソナリティ障害の人の怒りは激しく、予測不可能で、筋道を立てて話をしても抑えることができません。大雨の後の鉄砲水や地震や、晴れた日の雷のようなものです。現れるのと同じように、消えるのも突然です。

もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

通常このタイプの人は、怒りだけでなく、あらゆる感情が激しくて、それを抑えるブレーキが壊れているように感じています。それは彼らが痛みに対して、非常に過敏な心を持っているからです。ある専門家はこれを、全身の9割に重度の熱傷(やけど)を受けているような状態だといいます。「感情という皮膚がなく、わずかに触れたり、動いたりするだけでも、彼らは苦痛に悶えるのです」。ですから制御できなくて激しい反応が起きてしまうのです。
この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

②怒りの奥にある生き残り戦略…

境界性パーソナリティ障害2…主な特徴と種類

①極端な気分、感情のブレが特徴

境界性パーソナリティ障害を抱えた子どもやパートナーと一緒に生活すると、次のような経験をすることがあります。
・何のことはないごく些細な言葉で、さっきまで楽しくしていたのが、急に怒りだして手がつけられなくなる。
・少し言い過ぎた言葉、その一言でむきになり、家を飛び出してしまう。時には自殺企図へと走ったりする。
・一言注意されると、もう怒りが爆発して、手が付けられないほど暴れまる。
・冗談で言った言葉にすら、深く傷つき思いつめてふさぎ込む。
・何気ない動作が、愛情の希薄さだと責められて、唖然としてショックを受ける。
子どもやパートナーがこうした反応を繰り返すと、家族はしだいに腫れ物に触るように、顔色を常に窺いながら、機嫌を損ねるのを恐れながら暮らすようになっていきがちです。薄氷を踏むような危うさ――。家族は言いたいことを言えず、常に自分を抑えて暮らします。
こうして家族はその人に支配されているような状態に陥り、息苦しさを感じます。もちろん、ご本人にはそうした意図はありません。ご本人はどうしようもない感情・気分のブレに苦しんでいるのですが、結果的には周囲を支配しているのと変わらない状況が生まれがちです。

境界性パーソナリティ障害は、感情や気分、行動の変化があまりにも激しいという特徴があります。しかも変動の幅が大きすぎ、まったく正反対の方向へぶれたりします。
飛行機の操縦かんを動かし過ぎると、機体は激しく振動し、上下にもブレを繰り返すといいますが、同じことが心の操縦かんで起きているのです。
アメリカで作成された「DSM―Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引き」を見ると、境界性パーソナリティ障害の診断基準として次のような項目があります。

「顕著な気分反応性による感情不安定性」・・・(例)通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い深い気分、いらだたしさ、または不安。
「不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難」・・・(例)しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いの喧嘩を繰り返す。