トラウマは心的外傷とか心の傷とも呼ばれます。その人にとっての深刻な衝撃となる経験をした場合、それが心の傷となって残ります。これが原因でストレス障害が生じることも少なくありません。心的外傷後ストレス障害はPTSDと呼ばれています。
大震災や虐待などがない普通の生活を送ってきた人でも、カウンセリングをしていくと、心の傷に起因すると思われる深刻なストレスを抱えている方は少なくないことに気づきました。ある方は、無性に闇が怖くなることがあり、その場合孤独で死んでいくイメージが出てきて怖くて怖くて、それが収まるまで夜中でも知り合いに電話して長話せざるを得ない人もいます。またあるコンサルタントの方は、お客様に会うたびに、もしこの人が自分と縁を持つことで不幸になったらどうしようという思いが湧いてきて、それが何故かわからないといいます。
こうした場合は、生まれてからの生活史にその原因が見当たりません。その場合は、過去世でのトラウマ体験があったと仮定せざるを得なくなります。過去世のトラウマは、深層潜在意識に蓄積されています。これに対して今世で起きたトラウマは個人的潜在意識に蓄積されています。そうしたつらい体験は、通常は思い出すのがつらいので、潜在意識に抑圧され、封印されていることも少なくありません。
今世のトラウマでも過去世のものでも、それを癒す方法は、ほとんど同じで、3つの段階を経ることになります。
解凍(再体験)
解凍(再体験)
トラウマとは瞬間冷凍された体験です。そして瞬間冷凍されているがゆえに、心はその体験を過去のものとすることができず、いつまでも「新鮮」なままで抱えることになります。いわば「現在に生き続ける過去」として、その人のさまざまな心理的な機能に影響を与え続けているのです。トラウマを癒すということは、その凍りついた体験を解凍し、従来の認知的枠組みのなかに消化吸収していくことです。
そこで、トラウマを消化吸収していくプロセスには、解凍・解放・再統合という3つのプロセスを経ます。
「解凍」とは、瞬間冷凍した体験を解凍するという意味です。凍りついたトラウマ(心の傷)を溶かして、それを心の中で再体験する必要があります。
瞬間冷凍した体験であるトラウマは、心が消化吸収できないで心の中に異物としてとどまった状態にあると考えられます。冷凍した異物は肉体でいえば腫瘍のようなもので、そのままで放置するとネガティブな作用をしてきます。そこで心がトラウマを消化吸収していくためには、凍結することでいったんは意識の外に置いてしまった体験を、意識がもう一度取り戻さなければならないのです。(種)
<連絡先>
種村トランスパーソナル研究所(心理カウンセラー種村修)
携帯:090-8051-8198
メール:tanemura1956@gmail.com
コメント